Category: 運航

  • 航空会社の定時運航実績の改善が排出量削減につながる

    Andrew Doyle
    Andrew Doyle

    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    航空ファンにとって、緻密に組まれた運航スケジュールほどエキサイティングなものはありません。しかし、飛行機で時間通りに移動することが、気候変動との闘いに本当の変化をもたらすとしたらどうでしょう?Ciriumによる先駆的なEmeraldSkyの排出量測定法を通じて、航空会社の定時運航実績(OTP)とフライト排出量の削減との間に密接な関連性があることが初めて明らかになりました。この革新的な分析法は、スケジュールの信頼性がいかに持続可能な飛行の実現に直接貢献できるかを示す上で非常に画期的です。

    EmeraldSky はありふれた排出量測定法ではありません。これは、各フライトのCO2排出量を推定する際に、さまざまな変数の配列を考慮に入れる高度なツールです。航空機のタイプやエンジンのシリーズから、ウィングレットのデザイン、旅客や貨物のペイロード(有償搭載量)、さらには機体の機齢に至るまで、すべてが因子として織り込まれています。重要なのは、EmeraldSkyにはゲートや滑走路の時間などのリアルタイムデータも含まれており、飛行機がタキシング(地上走行)や飛行に費やす時間を正確に記録できるという点です。この高い水準の精度により、EmeraldSkyは従来の距離ベースの排出量ツールとは一線を画しています。

    なぜそれが重要なのでしょうか?それは、機材が空中や地上にいる時間は燃料燃焼に直接関係し、それゆえにCO2排出量にも影響するからです。

    フライトのあらゆる段階における効率化は、乗客にとっての利便性向上だけではなく、航空関連業界の環境フットプリントの削減にもつながります。

    Ciriumによる分析は、OTPと排出量のトレンドの関係を追跡することで、フライトのあらゆる段階における効率化が、乗客にとっての利便性向上だけではなく、航空関連業界の環境フットプリントの削減にもつながることを明らかにしました。

    Ciriumは、短距離のメインラインフライト(1,500km未満)の運航数量が多い空港ペアを分析し、2019年7月から2024年7月までのデータを比較しました。そして、OTPの改善が平均飛行時間と排出量の大幅な削減と一致した8路線を特定しました。一方、9路線は区間時間(セクタータイム)の延長、排出強度の増加、OTPの低下を示しました。

    その相関関係は明らかで、定時運航率が高いほど炭素強度が低くなっています。端的に言えば、フライトが予定した時間通りに運航されれば、排出量は減少するのです。

    この分析結果からは、航空交通管理(ATM)における非効率性に対処することの重要性が浮かび上がります。例えば、ヨーロッパ本土上空の国家管理空域の統合が遅々として進まないことは、ボトルネック(障壁)としてよく知られています。そのような非効率性は、燃料消費と排出量を増加させるだけではなく、航空会社のOTP改善能力をも制限することになります。この種の課題を解決できれば、環境と運航実績の双方に好影響をもたらす可能性があるのです。

    このことは航空業界のステークホルダーや業界リーダーにとって、オペレーショナル・エクセレンスがいかに持続可能性の目標と合致しうるかを示す説得力のある証拠となります。OTPを改善することは、乗客の満足度を高めるだけでなく、飛行機利用をよりスマートに、より環境に優しく、さらには地球の未来にとってより良いものにすることでもあります。CiriumのEmeraldSkyは、この重要な関係性を深く理解する道を開き、より持続可能な空を目指す過程において一分一秒が重要であることを証明しました。

     OTPの改善でCO2強度が低下

    (有効座席キロあたりの排出CO2のキログラム)2024年7月と2019年7月の比較(選択された運航ルート)

    CiriumのEmeraldSkyが航空業界の環境保護推進とクリーン化を可能にする方法について詳しく知るには EmeraldSky Aircraft & Flight Emissions をご覧いただき、当社の専門家との面談をご予約ください。

    レポートのハイライト

    • デルタ航空が4年連続でCiriumのオペレーショナル・エクセレンスのプラチナ賞を受賞
    • アエロメヒコ航空がグローバル部門で最も定時運航率の高い航空会社に認定される
    • 発表された地域のリーダー企業:デルタ航空、コパ航空、イベリア・エクスプレス、日本航空、フライサフェアが最優秀賞を受賞
    • ボゴタ・エル・ドラド国際空港がCiriumの初のプラチナ空港賞を受賞
    • リヤド・キング・ハリド国際空港、2024年度「最も定時運航率の高いグローバル空港」に選出
  • 2025年の旧正月――中国本土の旅行最盛期、日本がタイに代わり海外市場トップに

    Pang Yee Huat
    Pang Yee Huat

    Pang Yee Huat, Solutions Consultant, Cirium

    • 国際線の座席キャパシティが25%増と大きく伸び、総座席数は4%増に
    • 北京―上海線が上海―広州線を抜き国内線トップに
    • 国際線の最上位市場は日本、タイ、韓国

    毎年旧正月になると、中国本土の飛行機旅行は最も忙しくダイナミックな時期を迎えます。この期間のキャパシティの動向を詳しく見てみると、着実な成長ぶりと需要の移り変わりが浮かび上がります。中国本土の旅客輸送の総キャパシティは前年比4%増となりましたが、これは国際線のキャパシティの25%増という顕著な伸びに後押しされたものです。一方の国内線キャパシティは、2024年の水準と一致しています。これらの変化は、今回の祝祭シーズンで高まる需要に適応する航空業界の回復力と進化する性質を如実に示しています。

    2025年の国内の航空輸送キャパシティは、2024年の水準と比較すると横ばいとなっていますが、国内の最も利用の多い路線では大きな変化が見られます。北京―上海虹橋(PEK―SHA)、上海浦東―ハルビン(PVG―HRB)、成都―深圳(CTU―SZX)といった主要路線では、キャパシティが顕著に増加しています。中でも北京―上海虹橋線は、上海虹橋―広州線を抜いて2025年の国内線のトップに躍り出ました。また、上海浦東―ハルビン線は2025年に前年の11位から7位に上昇しました。深圳宝安(SZX)は、今年の旧正月期間の国内線トップ10に4路線がランクインしており、際立った好調ぶりを示しています。

    一方、国際線のキャパシティは増加基調を維持しています。日本、マレーシア、ベトナムの主要3市場が特に堅調です。日本はタイを抜いて中国本土にとっての最上位の国際線市場となり、その増加率は59%にも及びました。この増加傾向は、既存路線のキャパシティ増だけではなく、昨年以降に開設された新規路線数が46%の大幅増になったことが要因となっています。

    もう一つの成長市場であるベトナムも中国本土への路線が35%増加しており、2024年の35路線から2025年には47路線に拡大します。こうした新路線の中で興味を引かれるのは、青島航空のハイフォン―南寧(HPH―NNG)線で、これは中国本土とハイフォンを結ぶ唯一の路線です。これらの動向は、海外旅行がますます身近になっていることを浮き彫りにしています。

    中国系航空会社は、旧正月期間中も引き続き国際線のキャパシティを独占している状態です。国際線の総キャパシティのうち、中国東方航空、中国南方航空、中国国際航空の3社が合計で39%のシェアを占めています。この独占状態は、今年の祝祭シーズンに国内・国際線の飛行機利用需要が急増する中、その需要に応える上で中国の航空会社が極めて重要な役割を担っていることを映し出しています。

    旧正月の時期には、中国本土における飛行機利用の広範な回復と変化についての深い知見を得ることができます。旅行者が最愛の人と再会したり、新たな旅行先を模索したりする中、航空会社のキャパシティ拡大と新規路線の開設は、近い将来により大きな機会と接続性をもたらすことでしょう。

  • APACにおける2024年の飛行機利用を分析する――明るい兆しと残された課題

    Pang Yee Huat
    Pang Yee Huat

    Pang Yee Huat, Solutions Consultant, Cirium

    2024年はアジア太平洋地域における飛行機利用の面で特筆すべき年となり、とりわけ国際路線の著しい成長が見られました。今年はどの市場がトップパフォーマーになるでしょうか?

    APACにおける国別国際線旅客輸送量の上位10路線

    APAC’s Top 10 International Country Routes by Passenger Traffic Jan – Aug 2024

    ソース:Cirium FM Traffic, data filed Nov 4, 2024

    2024年の最初の8ヵ月間、日本は最も混雑する目的地の一つであり続け、韓国、中国、台湾を結ぶ路線が旅客輸送量のトップ3にランクインしました。日本と韓国、台湾を結ぶ路線の旅客数が2桁台の力強い伸び率を示した一方で、中国と日本を結ぶ路線の旅客数は25%減という顕著な下落率となりました。この減少ぶりは、座席キャパシティの21%減という数字にも表れています。全体として、中国発着の国際線座席キャパシティは、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年の水準から28%減と回復が遅れ続けています。中国に接続するすべての主要路線で減少が見られ、旅客輸送に関する課題を引き続き提起しています。 2024年の最初の8ヵ月間、日本は最も混雑する目的地の一つであり続け、韓国、中国、台湾を結ぶ路線が旅客輸送量のトップ3にランクインしました。日本と韓国、台湾を結ぶ路線の旅客数が2桁台の力強い伸び率を示した一方で、中国と日本を結ぶ路線の旅客数は25%減という顕著な下落率となりました。この減少ぶりは、座席キャパシティの21%減という数字にも表れています。全体として、中国発着の国際線座席キャパシティは、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年の水準から28%減と回復が遅れ続けています。中国に接続するすべての主要路線で減少が見られ、旅客輸送に関する課題を引き続き提起しています。

    日本は依然として最も混雑する目的地の一つだったのですが、中国の国際線座席キャパシティはパンデミック前の2019年の水準から28%減っており、回復が遅れ続けています。

    一方、ベトナム―韓国線は順調な成長ぶりを示しています。その旅客輸送量は15%増加し、2024年1月から8月にかけての座席キャパシティは2019年同期比で11%増加しました。この8ヵ月間には、ニャチャン―清州、ダラット―釜山、フーコック島―清州、フーコック島―釜山、カントー―ソウルの5路線が新たに開設されました。この市場ではベトジェットエア(VietJet Air)が圧倒的な存在感を示しており、総座席数390万席のうち110万席を同社が提供しています。これに続くのは、大韓航空の57万8,000席、次いでベトナム航空の50万席です。

    同様の成長ぶりが見られたもう一つの市場はインド―アラブ首長国連邦線で、2019年から2024年にかけて旅客輸送量と座席キャパシティがともに15%増加しました。この成長の原動力となった要素は、インディゴ(6E)とエア・インディア・エクスプレス(IX)がそれぞれ55%増と21%増の座席キャパシティを投入したことと、エア・アラビア・アブダビ(3L)の新規参入の結果、アラブ首長国連邦(UAE)発インド行き路線に40万7,000席がさらに加わったことです。

    APACにおける国別国際線座席キャパシティの上位10路線

    APAC’s Top 10 International Country Routes by Seat Capacity Q1 (Jan – Mar) 2025

    ソース:Cirium SRS Analyser, data filed Nov 4, 2024

    2025年第1四半期のアジア太平洋路線における予定座席数の上位10路線を分析すると、ほとんどの主要市場がパンデミック以前の水準を突破し、現在は成長段階にあることが明らかになります。注目されるのは、韓国―ベトナム線やインド―アラブ首長国連邦線といった路線が力強い上昇傾向を維持していることです。この2路線の座席キャパシティはそれぞれ27%と20%、増加しています。

    しかし、中国はこの上昇傾向の例外になっています。タイ、韓国、香港への主要国際路線は2019年の水準をなお大幅に下回っており、タイへの輸送量は依然として22%減の状況です。回復の可能性はあると思われますが、今後も市場の需要や国家政策の変更、さらに広範な経済条件を含め、さまざまな要因によって実績は大きく左右されるでしょう。とはいえ、適切な条件が整ってくれば、緩やかな回復が見えてくる可能性があります。

    中国発の主要国際路線は2019年の水準を大幅に下回っています。回復は市場の需要、政策変更、より広範な経済状況などの点で適切な条件が整うかどうかにかかっています。

  • Ciriumが業界初となる定時運航実績用の生成AIアシスタントを発表

    • OTP Awards AIは、Ciriumが実施する2024年の定時運航実績の結果分析をサポートする画期的な生成AIアシスタントです。
    • ユーザーは、定時運航実績スコア、フライト、フライト完了ファクターを分析および評価し、運航パフォーマンスの傾向を容易に把握することができます。
    • これは、Ciriumが今年発表するいくつかの生成AIアシスタントの第一弾となり、続いてOTP Improvement AI(OTP改善AI)も導入されます。

    世界で最も信頼されている航空分析の情報源であるCiriumは、航空会社と空港が定時運航実績(OTP)を把握できるよう特別に設計された業界初の生成AIアシスタントを発表しました。OTP Awards AIは、Ciriumによる2024年の定時運航実績レビューの分析を補完するために設計された生成AIアシスタントの第一弾となります。

    このAIアシスタントを活用することにより、航空業界関係者であれば誰でも、実績トップの企業の結果をより深く掘り下げるとともに、定時運航実績のスコア、追跡されたフライト、フライト完了ファクターに関する知見を評価し、事業パフォーマンスの傾向を容易に把握することができます。このツールでは、自社の指標を照会し、それを業界のリーダー企業の結果と比較することで、パフォーマンスのギャップを特定することが可能です。

    このアシスタントを利用することにより、ユーザーは航空会社や空港の実績動向を把握、特定することが可能になります。つまり、航空会社や空港が運航上の混乱から回復し、高水準の定時運航実績を維持する能力を知ることができるのです。OTP Awards AIの主な特徴の一つは、航空会社や空港が同業他社と自社の実績を比較できることです。OTP Awards AIは、Ciriumが今年市場にリリースするいくつかのアシスタントの第一弾となります。

    CiriumのAIアシスタントは、業界をリードするデータプラットフォームに直接接続し、正確さと精度を実現することに重点を置いて作成されており、その機能は業界で最も包括的なものとされています。次に発表することになるのはOTP Improvement AIです。このAIは、OTP分析をさらに進め、運航効率化の機会をピンポイントで特定するとともに、状況認識力を強化し、奥深い混乱分析を行えるように設計されています。

    CiriumのOTP Awards AIについて詳しく知り、OTP Improvement AIのウェイトリストにサインアップしてください。

    Ciriumの2024年定時運航実績レビューのダウンロードはこちらです。

    OTP Awards AI


    Ciriumについて 
    Cirium®は航空分析の情報源として世界で最も信頼されています。強力なデータと最先端の分析を提供し、幅広い業界関係者をサポートしています。航空会社、空港、旅行会社、OEM、金融機関が業務を最適化し、十分な情報に基づいた意思決定を行い、収益増大を加速させるために必要となる明瞭性とインテリジェンスを提供しています。

    Cirium®はRELXの事業であるLexisNexis® Risk Solutionsの一部であり、専門家およびビジネス顧客向けに情報をベースとした分析と意思決定ツールを提供しています。RELX PLCの株式は、ロンドン、アムステルダム、ニューヨークの各株式市場において、以下のティッカーシンボルを使用して取引されています。ロンドン:REL、アムステルダム:REN、ニューヨーク:RELX

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  • アエロメヒコ航空、2024年で最も定時到着率の高いグローバル航空会社に選出

    • メキシコのフラッグキャリアが世界ランキングでトップに、続いてサウディア航空とデルタ航空がランクイン
    • 地域別受賞者にはコパ航空(ラテンアメリカ)、デルタ航空(北米)、イベリア・エクスプレス(ヨーロッパおよび格安航空会社)、日本航空(アジア太平洋)、サフエアー航空(中東およびアフリカ)他が選出
    • サウジアラビアのリヤドのキング・ハーリド国際空港が2024年の最も定時到着率の高いグローバル空港に   

    世界で最も信頼されている航空分析の提供元であるシリウムは、定時運航と運用パフォーマンスで優れた成果を上げた航空会社と空港を称え、2024年定時運航実績レビューの受賞者を発表しました。

    シリウムの2024年定時運航実績レビューのダウンロードはこちらです。

    シリウムの年次報告書は、世界の航空会社および空港のパフォーマンス分析におけるゴールドスタンダードとなっています。定時運航フライトとは、ゲート到着予定時刻から14分59秒以内に到着するフライトと定義されています。空港においては、出発予定時刻から14分59秒以内に出発するフライトとして定時運行率を測定しています。

    メキシコのフラッグキャリアが世界ランキングで首位を獲得

    アエロメヒコ航空は、2024年において世界で最も定時到着率の高い「グローバル航空会社」という名誉あるタイトルを獲得し、86.70%という素晴らしい定時到着率を達成しました。サフエアー航空が86.35%で僅差の2位、デルタ航空は83.46%で3位を獲得し、世界的舞台で運航の信頼性を引き続き示しています。

    シリウムの年次レビューでは、世界中の航空会社の運航の卓越性を称え、5つの地域賞も授与しています。インターナショナル・エアラインズ・グループの一員であるイベリア・エクスプレスは、ヨーロッパで最も定時到着率の高い航空会社兼世界で最も定時到着率の高い格安航空会社として成功を収めました。日本航空はアジア太平洋地域で1位を獲得し、全日本空輸(ANA)を僅差で上回りました。

    デルタ航空は北米での優位性を維持し、コパ航空はラテン・アメリカで記念すべき10回目の受賞を達成しました。また、サフエアー航空は中東およびアフリカで最も定時到着率の高い航空会社として選ばれました。地域別およびカテゴリー別の結果一覧は下記に記載されています。

    リヤドのキング・ハーリド空港がグローバル空港カテゴリーで最高賞を受賞

    空港カテゴリーでは、サウジアラビアの首都リヤドへの玄関口であるング・ハーリド国際空港が、86.65%という高い定時出発率を達成し、今年の最も定時到着率の高い「グローバル空港」という名誉あるタイトルを獲得しました。この中東のハブ空港はさらに、「大型空港」カテゴリーでも認定を受けることでさらに際立った存在感を示し、世界各地の有力候補を上回る成果を挙げています。

    「中型空港」で最も定時到着率の高い空港のタイトルは、ラテン・アメリカの受賞者でコパ航空の拠点であるパナマのトクメン国際空港が獲得しました。一方、「小型空港」の受賞者は、エクアドルのグアヤキル・ホセ・ホアキン・デ・オルメド国際空港でした。

    運航の卓越性に対する特別認定:シリウム・プラチナ賞

    デルタ航空は4年連続でトップに立ち、グローバル運航の卓越性から、シリウムのプラチナ賞を受賞しました。この権威ある賞は、アトランタを拠点とする同社が運航パフォーマンスへの揺るぎない取り組みで高い評価を受け続けていることを示すものとなっています。

    このプラチナ賞は、航空会社のネットワークの複雑性、フライトの運航数、そして1年間を通じてフライトの遅延や中断が乗客に与える影響を最小限に抑えた能力を考慮して授与されます。

    同航空会社は、2024年に1,712,529便以上のフライトを運航し、そのうち83.46%という定時到着率を達成したことが評価されました。

    シリウムは今年、グローバル空港に対して同社初となる年次プラチナ賞を授与し、コロンビアのボゴタにあるエルドラド国際空港がこの名誉ある賞を受賞しました。空港プラチナ賞は、遅延が乗客に与える影響、混乱の持続時間、運航の複雑性、空港の魅力など、より幅広い要素を考慮し、特に成長度に重点を置いて評価されています。この包括的なアプローチは、複数の側面にわたる卓越性に注目しており、空港パフォーマンス評価において新たな基準を打ち立てています。

    「2024年は、航空会社にとって大規模なIT障害や季節外れの厳しい気象条件に直面する困難な年でした。このような課題にもかかわらず、これらの航空会社と空港は、顧客がスムーズに移動し目的地に定時で到着できるよう、懸命に努力しました。」

    「今年の定時運航実績レビューを受賞された方々には、心からお祝いを述べたいと思います。それぞれの受賞者が運航の卓越性における新たな基準を打ち立てました。また、当社の航空会社向けプラチナ賞を継続して受賞したデルタ航空の卓越した実績、ラテン・アメリカで最も定時到着率の高い航空会社として10回目のタイトルを獲得したコパ航空、ヨーロッパで最も定時到着率の高い航空会社として安定したパフォーマンスを発揮したイベリア・エクスプレス、そして、空港向けとして初となるシリウムのプラチナ賞を受賞したボゴタのエルドラド空港へ、特別認定を授与します。」

    今年で16年目を迎えるシリウムの定時運航実績レビューは、世界の航空会社における運航パフォーマンスを監視するための明確な指標としての地位を維持しています。同社の広範で公正なデータに基づき、航空会社、空港、グローバル配信システム、民間航空当局など600以上のリアルタイム・フィードから情報を取得し、業界全体を包括的かつ客観的に分析しています。また、このプログラムは、数十年の経験を持つ熟練した業界専門家で構成されている独立した諮問委員会の指導によって、さらに強化されています。

    グローバル航空会社リーダー:

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    Aeromexico (AM)99.32%75.82%86.70%87.73%
    Saudia (SV)99.82%68.34%86.35%88.82%
    Delta Air Lines (DL)98.95%77.34%83.46%83.74%
    LATAM Airlines (LA)98.52%71.04%82.89%83.23%
    Qatar Airways (QR)99.72%73.76%82.83%82.56%

    グローバル空港リーダー:

    空港定時出発率定時到着率総運航路線数総運航航空会社数
    Riyadh King Khalid International Airport (RUH)86.65%81.79%11560
    Lima Jorge Chavez International Airport (LIM)84.57%78.64%7127
    Mexico City Benito Juarez International Airport (MEX)84.04%84.82%10222
    Salt Lake City International Airport (SLC)83.80%84.78%10414
    Santiago Arturo Merino Benitez Intl Airport (SCL)82.84%78.51%6821

    北米の主要航空会社: 

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    Delta Air Lines (DL)98.95%77.34%83.46%83.74%
    United Airlines (UA)98.35%74.95%80.93%81.98%
    Alaska Airlines (AS)98.56%63.15%79.25%81.70%
    American Airlines (AA)98.68%72.05%77.78%79.13%
    Southwest Airlines (WN)99.38%76.55%77.77%76.65%

    ヨーロッパの主要航空会社:

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    Iberia Express (I2)99.49%72.03%84.69%86.72%
    Iberia (IB)98.83%74.16%81.58%79.77%
    SAS (SK)99.09%62.86%81.40%82.72%
    Vueling (VY)99.09%76.33%81.20%79.43%
    Norwegian (DY)99.18%68.71%79.23%79.58%

    ラテンアメリカの主要航空会社:

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    Copa Airlines (CM)98.73%68.58%88.22%91.77%
    Aeromexico (AM)99.32%75.82%86.70%87.73%
    Caribbean Airlines (BW)99.06%42.67%85.47%87.82%
    Gol (G3)98.78%69.88%84.09%83.90%
    Aerolineas Argentinas (AR)97.54%63.40%83.06%84.62%

    アジア太平洋地域の主要航空会社:

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    JAL (JL)98.37%64.95%80.90%82.83%
    ANA (NH)98.61%62.63%80.62%81.96%
    Singapore Airlines (SQ)99.92%68.45%78.67%80.13%
    Air New Zealand (NZ)96.89%75.03%77.58%74.73%
    Thai AirAsia (FD)99.97%67.89%77.46%77.44%

    中東およびアフリカの主要航空会社: 

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    FlySafair (FA)99.86%81.64%93.82%93.69%
    Oman Air (WY)99.64%74.33%90.27%93.89%
    Royal Jordanian (RJ)99.31%74.94%87.02%87.34%
    Saudia (SV)99.82%68.34%86.35%88.82%
    Kuwait Airways (KU)99.40%67.45%84.63%87.10%

    主要な格安キャリア:

    航空会社名コンプリーションファクターブロックタイム定時到着率定時出発率
    Iberia Express (I2)99.49%72.03%84.69%86.72%
    Gol (G3)98.78%69.88%84.09%83.90%
    Azul (AD)96.70%66.55%82.42%83.35%
    Peach Aviation (MM)99.45%67.85%82.32%82.57%
    Vueling (VY)99.09%76.33%81.20%79.43%

    メディアに関するお問い合わせ:media@cirium.com

    編集者への注意 *定時運航便とは、予定されたゲート到着時間から15分以内に到着する便を指します。空港の場合、予定された出発時間から15分以内に出発することを指します。

    Ciriumについて 
    Cirium®は航空分析の情報源として世界で最も信頼されています。強力なデータと最先端の分析を提供し、幅広い業界関係者をサポートしています。航空会社、空港、旅行会社、OEM、金融機関が業務を最適化し、十分な情報に基づいた意思決定を行い、収益増大を加速させるために必要となる明瞭性とインテリジェンスを提供しています。

    Cirium®はRELXの事業であるLexisNexis® Risk Solutionsの一部であり、専門家およびビジネス顧客向けに情報をベースとした分析と意思決定ツールを提供しています。RELX PLCの株式は、ロンドン、アムステルダム、ニューヨークの各株式市場において、以下のティッカーシンボルを使用して取引されています。ロンドン:REL、アムステルダム:REN、ニューヨーク:RELX

  • 航空業界のグリーンウォッシュ対策:透明性が高く正確な排出量測定を追求する

    JIm Hetzel Director of Product Marketing
    JIm Hetzel Director of Product Marketing

    Jim Hetzel, Director of Product Marketing, Cirium

    Wilson Caulfield, Head of Sales, EMEA, Cirium

    欧州委員会が発表した2024年4月30日付プレスリリースによると、同委員会はこのほど、いわゆるグリーンウォッシュ(環境配慮を装って誤った印象を与えること)を行った航空会社20社に対し、環境に関する不当な宣伝行為を働いたとして断固たる措置を取りました。このリリースには、「欧州委員会および各国の消費者保護当局は、誤解を招くグリーンウォッシュを行った航空会社20社に対する措置を開始した」と記されています。これらの航空会社は、自社の環境への取り組みについて誇張したり、虚偽の説明をしたりすることで、消費者や利害関係者に誤解を与えていたことが判明したのです。この厳しい対応は、規制当局による監視を強化するとともに、航空業界が温室効果ガス排出量について、透明性のある客観的な測定方法を採用することが急務であるという現状を浮き彫りにしています。

    グリーンウォッシングが意味するもの

    グリーンウォッシュは航空会社の評判を落とすだけでなく、社会的信用や投資家からの信頼も損ないます。そのような行為は、持続可能性への真っ当な取り組みを阻害します。財政的、法的な影響も甚大になる可能性があります。2050年までに排出量実質ネットゼロの目標を達成しなければならないという重圧が高まっている航空業界にとって、深刻な結果を招くのです。効果的で信頼のある気候変動対策は、正確なデータと透明性のある報告を提出できるかどうかにかかっています。

    独立した監視システムの必要性

    こうした問題に対処し、すべてのステークホルダーからの信頼を醸成するために、航空業界は、信頼度が高く科学的に正確な排出量データを保証するような独立した監視システムを持たなければなりません。それは、以下のような要素を有するシステムです。

    • 透明性を高める:ステークホルダーが信頼し得る、検証可能で科学的根拠に基づいたデータを提供する。
    • 法や規制の遵守をサポートする:罰則を受けないために、国際的な基準や規制に沿うようにする。
    • 投資家からの信頼を得る:持続可能性に真の貢献を果たし、環境意識の高い投資家を惹きつける。
    • 顧客からの信頼性を高める:航空会社の環境に関する戦略が合法的でインパクトのある内容であることを顧客に確信してもらう。

    自主性のある正確なフライト排出量の算出に重点を置く

    Ciriumは、信頼と独立性のあるデータ分析を通じて、2050年までのネットゼロ達成という目標に向けて業界を後押しすることに全力を注いでいます。このミッションをサポートするべく、Ciriumは高度な方法論であるEmerald Skyを開発しました。これはデータ、分析、革新的な手法を統合し、CO2の飛行時の排出量と飛行時に予測される排出量の両方について、比類のない精度で測定するものです。

    大雑把な推定や仮定に依存する従来の炭素計算法とは異なり、Emerald Skyは、最先端の技術と独自のデータを駆使して、航空機の燃料消費量とCO2排出量を正確に計算します。これにより、現在および将来の気候変動規制を満たすために必須となる、より正確なフライト時の排出量の報告を確実に行うことができます。

    CiriumはEmerald Skyを通して、環境に関する誓約を達成するために必要な正確さと透明性を業界に提供することを目指しています。

    業界を前進させる

    航空会社の使命とは、単にCO2排出量削減への意欲を表明することだけにとどまりません。今こそ、環境への影響と対応策の策定を自らの問題として捉え、科学的裏付けのある具体的な成果に向けて取り組む時なのです。

    グリーンウォッシュに対処し、堅牢な排出量モニタリングシステムを採用することは、単なる規制要件ではありません。航空関連業界の持続可能な未来を構築するために不可欠な要素なのです。私たち航空関連業界の環境保護に関する主張が、私たちの航空機と同じように空高く飛躍できることを証明するために、共に努力しましょう。

    ぜひCiriumにお問い合わせください。温室効果ガスの排出量を客観的かつ科学的に測定する正確無比な方法をお伝えいたします。Ciriumのソリューションは、持続可能性への取り組みの透明性、信頼性、そしてグローバルなネットゼロ目標との整合性の実現を保証します。

  • ネットゼロへの道:増え続ける商用航空界のCO2排出量(パート3)

    Andrew Doyle
    Andrew Doyle

    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    注:これは3部構成の第2部です。第1部第2部をお読みください。


    2024年4月に世界で稼働したエアバスとボーイングの旅客機タイプのフリートを見てみると、前回の排出量ピークだった2019年7月と比較して、最新世代のボーイング737Maxが(2020年後半に世界的な運航停止命令が解除されて以降)1,500機近く導入された一方、エアバスのA320neoとA321neoが計1,800機近く追加されていることが最も注目されます。この間、旧世代のA320ceoの稼働フリートが500機以上減少し、450機以上の737-800が稼働フリートから排除されました。

    ワイドボディ機については、老朽化した旅客仕様の747-400の稼働フリートが130機から20機のみとなり、レガシー機の767-300のフリートは190機近く減少しました。A380の稼働フリートは233機から160機に減少し、A330-300の稼働フリートも110機以上減っています。これらの機材は、計400機弱の最新世代のA350とA330neoの追加機材、さらに270機以上の787に置き換えられ、補充されています。エアバスとボーイングの旅客ジェット機の稼働フリートの合計はこの5年間で1,000機以上増加し、約21,000機になりました。これは排出量の点からみて、最新世代のエンジン技術の普及が進んだことによる1フライトあたりの効率性向上の相殺分を上回る増加規模です。

    ここに私たちの見解を示します。

    商用航空業界はいま岐路に立たされており、増大する旅行需要に応えつつ、環境への影響を大幅に削減するという二重の課題に直面しています。その克服のためには、航空会社、航空機メーカー、各国政府、ステークホルダーが一丸となって、持続可能な技術と燃料に投資する必要があります。

    事態の緊急性に対応し、技術革新を受け入れ、野心的な炭素削減目標の達成に向け尽力することは、健全な地球を保ったまま航空業界の未来を切り拓いていくために不可欠なステップです。

    持続可能性の道のりは平坦ではありません。

    しかし、積極的な対策と協力的な取り組みによって、航空業界はこの重大な課題に立ち向かうことができるのです。

    航空機とフライトの排出量に関する正確な知見であるEmerald Sky Aircraft and Flight Emissionsをぜひご活用ください。

  • ネットゼロへの道:増え続ける商用航空界のCO2排出量(パート2)

    EmeraldSky logo representing aircraft and flight emissions
    Andrew Doyle
    Andrew Doyle

    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    注:これは3部構成の第2部です。第1部第3部をお読みください。

    Cirium独自のEmerald Skyの方法論とデータ分析によると、2019年にCO2排出量が最も多かった航空会社200社(割合にして総排出量の93%。うち185社は現在も運航中)のうち81社は、2024年7月までの5年間でASK(有効座席キロ)あたりのCO2を平均3.9%以上削減できる見込みです。最も改善された航空会社(アイスランド航空)は、大規模なフリート更新プログラムの恩恵により24%以上の削減を記録する見通しです。他の航空会社、例えば排出量8.1%減と見込まれるブリティッシュ・エアウェイズは、新型コロナウイルスのパンデミックの間、747-400のような特に燃料消費の激しい航空機の全フリートを段階的に廃止する決定を下しました。

    これとは逆に、フィンエアーのASKあたりのCO2排出量は、2019年から2024年の間に10%以上増加すると予測されていますが、これは主に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア領空が使用できなくなったことが要因です。

    この結果、フィンランドのフラッグキャリアであるフィンエアーが運航するA350フリートのASKあたりの燃料使用量は、約20%増加しました。これは、大圏距離ベースの方法論ではなく、Ciriumの飛行時間(分)ベースの方法論でフライト内容が把握されることにより、アジア発着便の飛行時間が延びたためです。

    航空業界が直面している持続可能性に関する主要な課題は、商用旅客機の増加が予測される中、持続可能な航空燃料(SAF)の供給が大幅に拡大するまでは、CO2排出量の絶対量が増加し続けることにあります。

    国際的な最新の推計によれば、世界全体の排出量のうち航空関連業界が占める割合は約2%と比較的小さいものの、化石燃料の使用にすぐに代替し得る手段がないこと、また上空で巻雲(飛行機雲)が形成されることによって温室効果が増大する可能性があることから、この業界は依然として風当たりが強い状況となっています。

    次週のパート3「稼働フリートの変化が与える影響」もどうぞお楽しみに。EMERALD SKYの詳細については、当社までお問い合わせください


  • ネットゼロへの道:増え続ける商用航空界のCO2排出量(パート1)

    EmeraldSky logo representing aircraft and flight emissions
    Andrew Doyle
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    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    注:これは3部構成の第2部です。第2部第3部をお読みください。

    エンジン技術や航空機設計の大幅な進歩が顕著な時代においては、航空関連業界が環境のサステナビリティに向けて、まっすぐに飛躍の道を歩んでいるとの期待があるかもしれません。しかし、現実はもっと複雑であり、懸念すべき状況です。さまざまな技術の進歩にもかかわらず、この業界は重大な岐路に立たされています。温室効果ガスの排出量が過去の水準を超えて急増すると予測されており、グローバル規模で気候変動問題に対処するための道のりに暗雲が立ち込めているからです。

    Ciriumの最新の予測によると、定期旅客便に起因する月間二酸化炭素(CO2)排出量は、2024年7月には7,400万トンと過去最高を記録し、新型コロナウイルスのパンデミック前の最高値だった2019年7月の7,300万トンを上回る見込みです。

    それでも、良いニュースもあります。有効座席キロ*(ASK)当たりのCO2排出量として測定される効率性は、この5年の期間で3.8%以上改善される見通しです。これは主に、最新技術のエンジンを搭載した航空機の割合の増加によるものです。

    2019年7月には、計310万便弱で9,150億ASKが供給され、CO2排出量はASKあたり平均70g強と算出されました。Ciriumの2024年7月の予測では、実際のフリートに紐づけされた航空会社の公表スケジュールに基づくと、計320万回以上のフライトが約9,800億ASKを供給し、CO2排出量は平均68g弱になる見込みです。

    プラット・アンド・ホイットニー(P&W)のPW1100Gを搭載したエアバスA320neoファミリーの何百もの機材が現在、エンジン点検のため待機中であり、一方でボーイングの737マックスも2件の死亡事故後、長期にわたる運航停止の影響で納入が制限されました。こうした事態がなければ、排出量に関する効率性の改善幅はもっと大きくなっていたでしょう。また、パンデミック後のサプライチェーンの問題や機体認証の課題もあり、最新世代のワイドボディ機の就航数が、2019年当時の想定よりも少なくなってしまいました。

    次週のパート2「航空会社のCO2排出量削減に影響を与える要因」もどうぞお楽しみに。Emerald Skyの詳細については、当社までお問い合わせください


  • 急速に進むイノベーション――中東は未来の航空業界をいかに再構築するのか

    Alex Brooker, VP of Research, Development and Discovery, Cirium

    中東の真ん中で今、静かな革命が起きています。長い間、野望と成長の象徴であったこの地域の航空関連業界は今、目覚ましい変革の最中にあります。これは飛行機利用の未来を確実に作り変えるものです。

    技術革新、持続可能性、旅客体験の向上に専心する中東の業界関係者たちは、これから世界の航空コミュニティに向けた新たな基準を打ち立てようとしています。今週ドバイで開催されるArabian Travel Marketで、世界の航空関連のステークホルダーが一堂に会します。この地域での取り組みと具体的なビジネス機会について見ていきましょう。

    中東での変革の最前線にいるのが、世界有数の航空会社や空港を有するアラブ首長国連邦です。ドバイを拠点とし、年商290億ドル(約2兆8000億円)を誇るエミレーツ航空は、航空業界における可能性の限界を常に押し広げてきました。

    同社は250機以上の航空機を保有し、世界140ヵ所以上の目的地に路線網を展開しており、最新技術を駆使して卓越した旅客体験を提供しています。機内エンターテインメント・システムから生体認証のセキュリティ対策に至るまで、この航空会社のイノベーションへの取り組みは、業界に高いハードルを設定してきました。

    しかし、そうした卓越性を追求しているのはエミレーツ航空だけではありません。アブダビを拠点とするエティハド航空のほか、フライドバイ(flydubai)やエア・アラビアといった格安航空会社(LCC)も、サービスの強化や参入地域の拡大を通して大きな前進を遂げています。純粋な運航実績面では、オマーン・エアがCiriumの定時運航率(OTP)ランキングで世界第3位に入り、2023年度の「地域OTPアワード」を受賞しました。キング・ハーリド国際空港(RUH)は2024年3月の定時出発率が87.32%で、世界で2番目に定時性の高い空港となりました。これらの航空会社や空港は、長期的な成功を確実につかむために、変化する顧客ニーズに適応し、持続可能な慣行を取り入れることの重要性を認識しています。その意味で、この地域の航空業界全体にとって困難な月であったにもかかわらず、欠航やフライトの遅延を最小限に抑えたことは、誰もが認める前向きな一歩になりました。

    中東・アフリカにおけるCiriumのOTP地域最新情報――2024年4月発行

    中東・アフリカでは、今年3月の欠航便数が12%も増えました。欠航が2月の1,739便から1,950便に増えたのです。Safair(FA)は3月も、中東・アフリカ地域および格安航空会社カテゴリーの両方において、なお揺るぎないリーダーでした。

    同社の3月のOTPは96.67%と傑出しており、2月の93.96%からは3ポイント近く上昇しました。

    これは世界の全地域、全カテゴリーにおいて、全航空会社中最高のスコアでもあります。次いでオマーン航空(WY)が、93.32%という素晴らしいOTPで2位に入りました。ロイヤル・ヨルダン航空(RJ)は、OTPが前月より13ポイントの脅威的な上昇を示して89.68%となり、ランキング7位から3位に浮上しました。ガルフ・エア(GF)は、OTPが2月の84.08%から4ポイント上昇して88.35%となり、ランキング4位を維持しました。カタール航空(QR)のOTPは87.36%で、前月の83.27%からは4ポイント上昇し、ランキングは5位となりました。この地域の空港も3月、大幅に実績を向上させました。キング・ハーリド国際空港(RUH)のOTPは前月の83.13%から4ポイント上昇して87.32%となり、世界の空港カテゴリーで2位の座を確保しました。クウェート国際空港(KWI)のOTPは87.32%で、2月の80.51%から7ポイント近く上昇しました。一方、イズミル・アドナン・メンデレス空港(ADB)のOTPは91.61%となり、前月のOTP89.57%を2ポイント上回りました。[B(1]

    イノベーション・ハブがコラボレーションを可能に

    この地域の航空業界で最も注目すべき進展のひとつは、ドバイにあるエミレーツのEbdaaのようなイノベーション・ハブの出現です。Ebdaaは、創造性、コラボレーション、そして持続可能なエネルギーの触媒のような役割を果たします。この最新式の施設では、大学、テクノロジー・サプライヤー、新興企業から極めて優秀な頭脳が結集し、先端ソリューションの開発を推進しています。水素を動力源とする航空機のプロトタイプ(試作機)から先端的な航空交通管理システムに至るまで、Ebdaaから生まれる画期的なプロジェクトの数々は、航空関連業界の未来を形作るというこの地域の誓約の証しです。

    しかし、イノベーションは新技術の開発だけにとどまりません。中東の航空業界は、トレーニングや乗客体験に対する新しいアプローチも開拓しています。

    例えば、エミレーツ航空は、航空機の乗務員・従業員の新人研修やトレーニングを強化するため、拡張現実や没入型体験のテクノロジーを導入しています。これらのテクノロジーは、職場環境のリアルなシミュレーションの提供を通して、トレーニング時間を短縮するとともに、新しい従業員が円滑に職場に適応することを可能にしています。

    同様に、世界で最も忙しい空港のひとつであるドバイ国際空港は、2024年まで完全にタッチレスでチェックポイントを通過できるようにする計画を立ち上げ、この種のテクノロジーの活用において業界をリードしています。ここでは、乗客は高度な生体認証技術により、継ぎ目のないシームレスなチェックイン、保安検査、搭乗手続きを体験できるようになります。この取り組みは、待ち時間を短縮し安全性を高めるだけではなく、新型コロナウイルスのパンデミックを経て、より衛生的で便利な旅行体験を提供しようとするものです。こうした進展は中東全体で見られるようになっており、乗客が空港内を移動し、航空会社のスタッフと接する方法に革命をもたらしています。

    とはいえ、急速な成長とイノベーションを遂げる中東の航空関連産業に課題がないわけではありません。中東では熟練労働者の不足に直面しており、2033年までにUAEだけで約22,000人のパイロットと乗組員が必要になるという試算もあります。この問題に対処するため中東諸国は、次世代の航空分野の専門家を育成する教育機関と連携し、トレーニングおよび開発プログラムに投資しています。

    もうひとつの課題は、気候変動の問題に直面するなか、持続可能な慣行が求められていることです。中東の航空会社や空港は、CO2排出量の削減の面で大きく前進しましたが、まだやるべきことは数多くあります。持続可能な航空燃料の採用、より燃料効率の高い航空機の開発、環境に配慮した地上業務の実施といったことはすべて、航空業界の長期的な持続可能性を確保するための重要なステップです。この目的に向かって中東の航空会社や空港は、持続可能な航空燃料の採用、燃料効率の高い航空機の開発、環境への負荷の低い地上業務の実施など、環境に優しい取り組みに対し多額の投資を行っています。例えばエティハド航空は、2035年までにCO2素排出量を50%削減し、2050年までにネットゼロ(CO2排出量実質ゼロ)を達成すると誓約しています。このような努力は、運航上の利益にとどまらず、今は多くの取引が環境への配慮を求める 「グリーンな紐付き 」であることから、業界の財務的な裏付けを確保するためにも不可欠です。Ciriumはこうした分野にも多額の投資を行っています。最近では当社のEmerald Skyについて、ロッキーマウンテン研究所から、航空業界に合わせて調整された初の気候変動対応型金融フレームワークの先端ツールとして適格性認証を受けました。

    このような課題があるにしても、中東の航空業界は今、楽観と決意のムードに覆われています。

    この地域のリーダーたちは、航空関連産業が持つ計り知れない可能性を認識したうえで、その将来への投資に全力を傾けています。サウジアラビアが掲げている野心的な計画から、中東地域全体で築かれつつある戦略的パートナーシップに至るまで、この業界を前進させるという一体感と目的意識が強く感じられます。

    今後数年間で、ここからさらに画期的な進歩が生まれることが期待されます。水素を動力源とする航空機の開発から、シームレスかつタッチレスな旅行体験の実現まで、中東の航空業界は可能性の限界を押し上げようといるのです。これらのイノベーションが実現すれば、私たちの旅行方法が一変するだけでなく、新世代の起業家やイノベーターたちに大きな影響を与えることでしょう。中東の航空業界のサクセスストーリーは、ビジョン、協力、そしてイノベーションの力の証しなのです。この地域は、人材、インフラ、テクノロジーへの投資を続けることで、より輝かしく持続可能な未来への礎を築きつつあります。その地平線にしっかりと目を向け、一つずつイノベーションを実現しながら、中東は世界の航空業界を新たな高みへと導こうとしています。


  • 誰が前進し、誰が後退するのか――航空機のグラウンドタイムに注目する

    Andrew Doyle
    Andrew Doyle

    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    CiriumのGround Events Analyticsの導入に伴い、これまで見えにくかった機体整備点検や客室改修の分野に対する独自の洞察が可能になりました。私はこの新しいツールを使って、中国のMRO市場、エミレーツ航空の大規模なエアバスA380の客室刷新キャンペーンの進捗状況、さらにボーイング787の納入の遅れが767のアップグレード需要に与える影響について調べました。

    宇宙ベースの追跡で中国の現状が明らかに

    中国における整備、修理、オーバーホール業務の競争状況については、包括的なフライト追跡データの入手が困難なため、これまでは把握が困難でした。しかし、Ciriumが宇宙ベースのADS-B(Automatic Dependent Surveillance – Broadcast=自動従属監視放送)のサービスプロバイダーであるAireonと提携したことにより、航空機の到着から出発までのグラウンドタイム(地上にいる時間)における位置と継続時間を初めて正確にモニタリングできるようになりました。この追跡情報を、市場をリードするCiriumの機材およびMRO契約データと組み合わせることで、当社の市場専門家とデータ科学者たちは、特定の機材がいつ、どこで定期整備を受けているかについて、高い信頼度をもって推測する高度なアルゴリズムを開発することができました。

    以下のツリーマップでは、Ground Events Analyticsを使用して実行できる分析タイプの例が示されています。これは、2024年2月までの12ヵ月間に記録された特定の機材タイプごとの地上日数の合計に基づき、中国のMROプロバイダーをランク付けしたものです。それぞれのケースで、ヘビーチェック(徹底した点検)を受けた機材の数と地上滞在時間の中央値を示すことが可能になっています。

    巨大な改修プログラム

    エミレーツ航空に目を向けると、この新ツールは、同社がアップグレードを予定している全67機のA380のうち少なくとも22機について、まったく新しいプレミアムエコノミー・キャビンの設置を含めた客室改修が完了したことを示しています。同社は2022年11月に業界最大級の改修プログラム計画を発表しており、8日ごとに1機の改修開始を目指し、各改修の完了までには約16日かかると述べています。つまり、今年5月末までに67機すべてのA380を改修し、運航に復帰させるということです。

    Ground Events Analyticsによれば、これまでにアップグレードが確認された22機のうち9機は、地上滞在中に「C」または「ヘビー」クラスの整備・点検も受けていることが分かっています。

    追跡された地上時間が最も短かった機材は、2023年5月中旬から客室の改修を受けた機体番号A6-EVFの23日間でした。これまでにアップグレードされた22機は、既に新キャビンが取り付けられた状態でエミレーツ航空に引き渡された最後の6機のA380フリートに加わることになります。

    ドリームライナー納入遅延でレガシー・ツインジェットが息を吹き返す

    最後に、2021年5月から2022年7月にかけてのB787(ドリームライナー)の納入停止が、ユナイテッド航空のレガシーフリートであるB767の客室アップグレード計画にどのような影響を与えるかを見てみました。私のグラフでは、ドリームライナーの引き渡しが遅れる中、旧型のツインジェット機の改修活動が著しく活発化していることが示されています。


    Ground Events Analyticsが将来の機材整備の監視と予測にどう役立つかについてもっと知りたい方は、Ground Eventsページ(英語)をぜひご覧ください。

  • ミネアポリス・セントポールがリード、インドの空港の定時運航実績向上、中南米の空港が躍進

    Luis Felipe de Oliveria, ACI World Director General

    ACIワールドによると、2024年の世界の旅客輸送量は94億人に到達し、92億人だった2019年を上回る(2019年比102.5%)節目の年になると予想されています。

    増加要因としては、中国市場の再開と国内旅行の急増傾向の定着、サプライチェーンの混乱の漸進的な沈静化、インフレの鈍化などが挙げられます。

    下振れリスクは依然として存在するものの、私たちは国際空港評議会(ACI)のメンバーやパートナーの献身的な努力と貢献を定時運航の実績などによって引き続き実感しており、業界の将来に明るい希望を見出しています。

    定時運航率レビューにおける空港のカテゴリー分けは、現在のフライト活動の水準に基づくものです。アメリカの空港については、ミネアポリス・セントポール国際空港(MSP)がグローバル部門と大規模空港部門で首位に立つなど、目覚ましい結果を残しました。アメリカのソルトレイクシティ国際、デトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ、シアトル・タコマ国際、フィラデルフィア国際の各空港は、グローバル部門でそれぞれ5、6、7、8位を獲得しました。 インドの空港は、定時運航実績を向上させて昨年の勢いを維持し、ラジーヴ・ガンディー国際とケンペゴウダ国際の2空港が、グローバル部門と大規模空港部門の両方でそれぞれ2位と3位に躍進しました。

    日本の空港は、大阪国際空港が中規模空港部門で1位、中部国際空港が小規模空港部門で2位となり、相変わらずトップクラスの定時運航率を示しています。

    中南米の空港は、すべての空港カテゴリーで大きく前進しています。 マリスカル・スクレ国際空港が小規模空港部門で首位、ホセ・ホアキン・デ・オルメード空港が同3位、トクメン国際空港、ホルヘ・チャベス国際空港、ブラジリア国際空港がそれぞれ中規模空港部門で2、3、4位、エルドラド国際空港がグローバル部門と大規模空港部門で4位と、中南米の空港がすべての空港部門で大きく躍進し、各部門グループのトップ5に名を連ねました。

    こうした輝かしいパフォーマンスは、これ以上ないタイミングで発揮されました。実は中南米およびカリブ海諸国は、ACIワールドにより2019年の水準を上回る最初の地域になると予測されていました。その輸送旅客数は2023年末までに、2019年の102.9%にあたる7億700万人に達しています。

    航空会社の実績が空港の実績に連動していること、またその逆も然りであることは明らかです。航空会社と空港が効率性の確立に向けて共に努力し、旅客と航空エコシステム全体に利益をもたらしていることを改めて示しています。各カテゴリーの上位空港の秀逸な定時運航実績を祝福いたします。私たちは引き続き、高い効率性、パフォーマンス、そして卓越した旅客体験を実現しながら、現在そして未来の旅行者を迎えるにふさわしい持続可能な航空エコシステムを構築していきます。航空業界のすべてのステークホルダーが世界中の旅客と地域社会のニーズに応えるために団結してこそ、私たちは一つのエコシステムとして成功を遂げ、新たな高みに到達することができるのです。