Category: 航空機業界の動向予測

  • 次世代エンジンの課題

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    Cirium Ascend Consultancyのチームをご紹介します。

    YIRU ZHANG
    Yuri Zhang

    Yiru Zhang, Senior Valuation Analyst, Cirium Ascend Consultancy

    PW1100Gフリートにまつわる根深い問題

    航空業界がサプライチェーンの混乱や信頼性への懸念を引き続き乗り越えようとする中、新世代エンジンを取り巻く課題が依然として重要な焦点となっています。2025年3月10日現在、PW1100Gを搭載した600機以上のA320ファミリーが駐機・保管されています。グローバルフリートに占める割合は35%となっています。最悪な時期は脱したとの見方もありますが、なお注意が必要です。対照的に、LEAPエンジン搭載の駐機中のフリートは少数です。季節的なトレンドに沿って減少を続けており、稼働フリートについてはより安定した軌道上にあることを示しています。

    RTXは、GTFエンジンの補償金として2024年に11億ドルを支払ったとしています。2025年にはさらに11億~13億ドルの支払いが予想されると報告しており、継続的な駐機・保管による経済的負担を強調しています。これらの支払いは、航空機の地上離着陸(AOG)事故が発生した際に行われるもので、航空会社の運航に持続的な影響が出ていることを示しています。

    出典:Cirium Core、2025年3月10日(航空機は連続7日間使用されないと駐機中と分類されるため、短期間のうちに再集計の対象となる)

    エンジン生産と納入の制約

    プラット・アンド・ホイットニーの親会社であるRTXは、2025年に大型商用エンジンの生産が14%増加し、予備品プールへの追加と比較して取り付け台数がわずかに増えることを示唆しています。Cirium Ascend Consultancyの分析に基づく2025年の納入予測は、2025年の納入目標を達成するべく航空機メーカーをサポートするという点から考えると、RTXや競合他社の発表と比較して下振れリスクを示しているように見えます。

    エンジン製造時の粉末冶金の問題は今後1年半から2年以内に概ね解決される見込みですが、その他の技術的課題やサプライチェーンの問題は依然として残っています。2030年まで続く次世代エンジン技術関連の不確実性により、航空会社は、CFM56とIAEを搭載した機材を当初計画よりも長期間にわたって保持することを余儀なくされています。この傾向は、現在よりも低い価格帯ではあるにせよ、2030年代までは旧世代エンジンの需要が持続することを示唆しています。

    シングルアイル機の市場価値の推移

    主なシングルアイル機のフリート加重平均での市場価値を2019年12月時点を基準に指数化して分析したところ、以下の通り、いくつかの注目すべき傾向が浮き彫りになりました。

    出典:2019年12月を基準に指数化された、Cirium Coreによる現行市場価値(フリート加重、一定機齢ベース)

    A320ceoと737-800が最も大きな上昇傾向となっています。2025年第1四半期には、ミッドライフ(中程度の機齢)の737NGの価値が上昇しました。A320ceoファミリーについては現在評価中ですが、A320とA321は共に、他のミッドライフのナローボディ機と同様の安定した傾向を示すと予想されます。

    旺盛なエンジン需要に支えられ、旧世代機材の価値は引き続き堅調に推移しています。データによれば、2023年および2024年までのリース延長の水準は、前回の市況サイクルの後期よりも高くなっています。CFM56エンジンとIAEエンジンについては、需要が今後3年間は堅調に推移する一方、新規生産が増加し、より多くの機材がパーツアウトを実施することに伴い、供給上の制約が緩和される可能性があります。マクロ経済の状況や旅客需要が軟化する場合には、このスケジュールが早まる可能性がありますが、今のところ市場は回復力を維持しています。

    増産傾向にもかかわらず、PW1100Gに関連した混乱は10年先まで続くとみられ、航空会社やリース会社の間で戦略的なフリート計画を立てる必要性は高まっています。

  • 航空会社によるACMIの徹底活用

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    Cirium Ascend Consultancyのチームをご紹介します。

    Toshimitsu Sogabe, Aviation Consultant, Cirium Ascend Consultancy

    航空会社にとって機材、乗務員、整備、保険(ACMI)のリースは、運航面の課題に対処する上でますます不可欠な戦略となっています。新造機材の納入遅延、部品不足につながるサプライチェーンの制約、整備ターンアラウンド時間の長期化、全体的な運航上の制限といった要因が、ACMIソリューションに対する需要を押し上げ続けています。このような状況下で、私たちは、ACMI専門プロバイダーのフリートを徹底して活用している航空会社を評価してみました。

    以下の表には、2024年7月(北半球の夏)時点でACMIプロバイダーからの旅客フリートを多く保有していた航空会社上位10社が列挙されています。注意していただきたいのは、Cirium Fleets Analyzerで非ACMIプロバイダーとして分類されている”伝統的な”航空会社は含まれないということです(例えば、フィンエアーは自社保有のA330をカンタス航空にウェットリースしていますし、エア・バルティックはA220をルフトハンザ・グループにウェットリースしています)。

     AirlinesJul-2024Fleet from ACMI
    1Lufthansa Group35E190 E1/E2, CRJ1000, A320
    2THY (Ajet)25A320, A321, 737 Max 8
    3TUI Group24A320, 737-800, 737 Max 8
    4VivaAerobus21A320
    5SAS20CRJ900
    6Indigo16A320
    7Air France-KLM Group13E190 E1, A319, A320, A330-200
    8Condor9A320, A321
    8Wizz9A320, 737-800
    10Jet28A320, A321
    Others118
    TOTAL 298

    出典: Cirium Fleets Analyzer

    上記のリストには、フルサービスキャリア、格安航空会社(LCC)、リージョナル航空会社、貨物を運ぶ航空会社など、多様な組み合わせの航空会社が反映されています。

    これとは対照的に、2025年1月(北半球の冬)時点の上位10社には、ACMIの専門プロバイダーからのフリートを増やしたり減らしたりする航空会社がある一方で、完全にリストから外れる航空会社もあり、順位に変動が見られます。

     AirlinesJan-2025vs Jul-2024
    1VivaAerobus243
    2Indigo182
    3Lufthansa Group23-12
    4SAS15-5
    5THY (Ajet)13-12
    6Condor7-2
    7Air Peace66
    7Air France-KLM Group6-7
    9Saudia4-1
    9Air Arabia41
    9El Al41
    9Azerbaijan Airlines41
    9PSA Airlines41
    Others76-69
    TUI Group2-22
    Jet20-8
    SunExpress0-7
    TOTAL204-94

    出典: Cirium Fleets Analyzer

    ルフトハンザ・グループ、ターキッシュ・エアラインズ(子会社のアジェを通して)、エールフランス-KLMグループ、スカンジナビア航空などのフラッグ・キャリアがACMIプロバイダーのフリートについて、2025年1月にもその数をやや減らしつつ活用を継続している一方で、レジャーおよびツアー系の運航会社がそのようなフリートの使用を大幅に縮小または完全に廃止していることは注目に値します。最も顕著な例はトゥイ・グループです。2024年7月時点では22機の機材を運航していましたが、その大半を2025年1月までにACMIプロバイダーに返却しました。同様に、2024年7月時点ではACMIプロバイダーのフリートを組み込んでいたJet2とサンエクスプレス(それぞれ8機と7機)は、2025年1月までにACMIプロバイダーから調達したフリートの使用を完全に中止しました。これについては、レジャーおよびツアー系運航会社の繁忙期と閑散期の需要の変動が大きいことを考えれば理解できます。これに対し、インディゴは、プラット・アンド・ホイットニー製GTFエンジンの問題に起因する自社所有機およびリース機の継続的な運航停止を補うため、ACMIプロバイダーからのフリートを維持(実際には若干増加)しています。

    Operator RegionJul-2024Jan-2025Jan-2025 vs
    Jul-2024
    Europe1998744%
    Africa312374%
    Asia Pacific2632123%
    Latin America2435146%
    Middle East1320154%
    North America57140%
    TOTAL29820468%

    出典: Cirium Fleets Analyzer

    上記のグラフは、ヨーロッパが、ACMIプロバイダーからのフリートの利用の面でなお最大の市場であることを明確に示しています。興味深いのは、他の大陸に比べて航空部門が比較的小規模であるにもかかわらず、アフリカが第2位の市場になっていることです。アジア太平洋およびラテンアメリカ市場におけるACMI需要の大部分は、インディゴとビバエアロバスが牽引しています。このため、両社を除外すると、これらの2地域におけるACMIプロバイダーからのフリートの使用実績が大幅に減ることになります(トルコは、Cirium Fleet Analyzerでは「ヨーロッパ」に分類)。さらに、ヨーロッパの航空会社は、2025年1月にはACMIプロバイダーからのフリートの使用を大幅に減らしています。 一方、他の地域は全体的に増加していますが、アフリカだけは例外で、わずかに減少しています。これは、航空交通量の季節変動(南半球の国々を含む)や、インディゴのケースで見られたように、ACMIの使用を余儀なくさせる季節以外の課題など、複合的な要因によるものと考えられます。

    上述の通り、”伝統的な”航空会社が提供するウェットリースについては評価していないため、この評価が、市場におけるすべてのウェットリース需要の影響を完全に捕捉したものではないという点に留意することが重要です。しかしながら、その範囲内であっても、ACMIの活用に関する航空会社の要件や運航戦略には、明確な違いが見られます。

  • 2025年の旧正月――中国本土の旅行最盛期、日本がタイに代わり海外市場トップに

    Pang Yee Huat
    Pang Yee Huat

    Pang Yee Huat, Solutions Consultant, Cirium

    • 国際線の座席キャパシティが25%増と大きく伸び、総座席数は4%増に
    • 北京―上海線が上海―広州線を抜き国内線トップに
    • 国際線の最上位市場は日本、タイ、韓国

    毎年旧正月になると、中国本土の飛行機旅行は最も忙しくダイナミックな時期を迎えます。この期間のキャパシティの動向を詳しく見てみると、着実な成長ぶりと需要の移り変わりが浮かび上がります。中国本土の旅客輸送の総キャパシティは前年比4%増となりましたが、これは国際線のキャパシティの25%増という顕著な伸びに後押しされたものです。一方の国内線キャパシティは、2024年の水準と一致しています。これらの変化は、今回の祝祭シーズンで高まる需要に適応する航空業界の回復力と進化する性質を如実に示しています。

    2025年の国内の航空輸送キャパシティは、2024年の水準と比較すると横ばいとなっていますが、国内の最も利用の多い路線では大きな変化が見られます。北京―上海虹橋(PEK―SHA)、上海浦東―ハルビン(PVG―HRB)、成都―深圳(CTU―SZX)といった主要路線では、キャパシティが顕著に増加しています。中でも北京―上海虹橋線は、上海虹橋―広州線を抜いて2025年の国内線のトップに躍り出ました。また、上海浦東―ハルビン線は2025年に前年の11位から7位に上昇しました。深圳宝安(SZX)は、今年の旧正月期間の国内線トップ10に4路線がランクインしており、際立った好調ぶりを示しています。

    一方、国際線のキャパシティは増加基調を維持しています。日本、マレーシア、ベトナムの主要3市場が特に堅調です。日本はタイを抜いて中国本土にとっての最上位の国際線市場となり、その増加率は59%にも及びました。この増加傾向は、既存路線のキャパシティ増だけではなく、昨年以降に開設された新規路線数が46%の大幅増になったことが要因となっています。

    もう一つの成長市場であるベトナムも中国本土への路線が35%増加しており、2024年の35路線から2025年には47路線に拡大します。こうした新路線の中で興味を引かれるのは、青島航空のハイフォン―南寧(HPH―NNG)線で、これは中国本土とハイフォンを結ぶ唯一の路線です。これらの動向は、海外旅行がますます身近になっていることを浮き彫りにしています。

    中国系航空会社は、旧正月期間中も引き続き国際線のキャパシティを独占している状態です。国際線の総キャパシティのうち、中国東方航空、中国南方航空、中国国際航空の3社が合計で39%のシェアを占めています。この独占状態は、今年の祝祭シーズンに国内・国際線の飛行機利用需要が急増する中、その需要に応える上で中国の航空会社が極めて重要な役割を担っていることを映し出しています。

    旧正月の時期には、中国本土における飛行機利用の広範な回復と変化についての深い知見を得ることができます。旅行者が最愛の人と再会したり、新たな旅行先を模索したりする中、航空会社のキャパシティ拡大と新規路線の開設は、近い将来により大きな機会と接続性をもたらすことでしょう。

  • 旅行中の積極的なコミュニケーションを通じて、旅行者にとって最高のエクスペリエンスを実現する

    JIm Hetzel Director of Product Marketing
    JIm Hetzel Director of Product Marketing

    Jim Hetzel, Director of Product Marketing, Cirium

    複雑な要因が絡み合う現代の旅行体験は、単に美しい離着陸の瞬間を楽しむというだけのものではありません。それは、天候、サービスロジスティクス、そして旅行計画を乱す予期せぬ問題など、さまざまな要因に影響される緻密な物語なのです。旅行業界のパイオニアである当社専属の旅行管理会社、オンライン旅行代理店、航空会社にとって、旅行中の円滑なコミュニケーションをマスターすることは、単純な付加価値ではなく、顧客ロイヤルティ構築の核心になるものです。

    こうした旅行中のコミュニケーション戦略を深く掘り下げることで、顧客満足度を大きく高めることができます。シームレスなコミュニケーションチャンネルが、いかに混乱の中でパーソナライズされたカスタマーケアを提供することができるか、そして、デジタルや自動化を活用したサポートを通して届くブランドの声が、いかに旅行者の体験に忘れがたい記憶を刻むことができるかについて、洞察的知見を明らかにします。

    旅行中のコミュニケーションの進化

    旅行会社や航空会社が、フライトの混乱の最中に無言のまま対応するのが当たり前と思われていた時代は過ぎ去りました。目新しい方法論だった旅行中の積極的なコミュニケーションは今、すべての業界関係者にとっての言わずと知れた必須条件へと進化を遂げています。現代の旅行者は、常に最新の関連情報を得ることを期待するだけでなく、旅行者特有の状況をきめ細かく反映したうえで、それぞれの文脈に沿った更新情報を受け取ることも期待しています。このパラダイムシフトを受け入れた航空会社や旅行サービスプロバイダーは真の先駆者であり、顧客の心をつかむナビゲーターとして卓越したコミュニケーションを追求し続けています。

    この進化を明確に示すために、悪天候の中、空港で足止めを食ってしまった旅行者を思い浮かべてみましょう。この人は、フライト遅延の情報だけはでなく、搭乗便再調整(リアコモデーション=reaccommodation)の方法を通知するパーソナライズされたアラートを受け取ります。こうしたコミュニケーションを通じて伝わるケアとサポートは、そのインパクトにおいて計り知れないものがあり、目先の問題よりもはるかに心に残ります。

    一貫したブランドメッセージの構築

    メッセージの自発性とパーソナライゼーションは重要な役割を果たしますが、それは常にブランドの精神に裏打ちされたものでなければなりません。窮迫しているタイミングで販促のコンテンツや付随的なセールスを推し進めることは、顧客の不快感を招きかねません。その代わりに、主に情報を提供してサポートする戦略をとり、ポジティブでブランドを強化するようなコンテンツを定期的に交換すれば、ブランドのコアバリューを反映した総合的な旅行体験を創造することができるのです。

    旅行管理会社が魅力的な旅のインスピレーションを発信すると同時に、旅行の中断の問題にも巧みに対処している状況を想像してみてください。

    このようにさまざまなコンテンツを組み合わせることで、旅行を中断された旅行者の気を紛らわせることができるだけでなく、積極的で親身になってくれる信頼あるパートナーとして、ブランドを旅行者の心にしっかりと刻み付けることができるのです。

    データ主導のコミュニケーション手法

    データは、旅行中のコミュニケーションの舵取りをするための羅針盤になります。アナリティクスを活用して潜在的な混乱を事前に察知し、それに対処することで、業界で比類のない水準のサービスを提供できるようになります。例えば、航空会社はリアルタイムの地理的分析を使って、フライト遅延による特定の空港エリアでのトラフィックの増加を予測し、その影響を受けそうな顧客に代替ルートを推奨することができます。

    さらに言えば、データ主導のコミュニケーションは、予測や情報提供を行うだけでなく、顧客を惹きつけるものでもあります。旅行者の嗜好や行動を理解することで、重要な情報を伝えるだけでなく、タイムリーかつ的確でパーソナライズされたサポートを提供するべくメッセージをカスタマイズすることができます。ある旅行者が特定のカフェやギフトショップに関心があることを察知し、フライト遅延をやり過ごすためにさりげなくそうした場所に案内する簡潔なメッセージは、従来式の顧客サービスを超越し、真にパーソナルな体験へと誘うものです。

    旅行者免除サービスで混乱を緩和

    運航スケジュールが大幅に乱れている場合、系統立てられた免除(ウィーバー)情報を与えられた乗客は、情報に基づいた迅速な旅程の変更・調整を行うことができます。これは、搭乗便再調整のプロセスを迅速化するだけでなく、乗客がウィーバーサービスの権利に基づき、その選択が保証されているという安心ももたらします。

    旅行管理会社や航空会社は、混乱発生時の代理店の電話対応時間が大幅に短縮されたことに注目しています。その短縮幅は20%に及びます。

    この大幅な効率改善は、単なるコスト削減にまつわる成果ではなく、情報に基づいた選択を行うことの効果を具現化したものです。これはたいていの場合、顧客ができる最高の選択なのです。

    ベストプラクティスとケーススタディ

    Fox World TravelとGant Travelという業界の見本となる2社は、旅行中の積極的なコミュニケーションの有効性を際立たせるケーススタディを提供しています。Fox World Travelは、運航障害に見舞われた旅行者の平均待ち時間を3分の1短縮しました。一方のGant Travelはリーンマネジメント・システムを採用して、混乱に直面した旅行者を支援するための迅速な対応を保証するとともに、代理店の全体的な通話時間を短縮し、顧客満足度を向上させました。

    両社の成功ストーリーからは、ベストプラクティスの青写真が見えてきます。それは、コミュニケーションシステムのシームレスな統合、混乱への機敏な対応、そして旅行者の満足度とビジネス目標を結びつけるようなまとまりのある戦略です。

    デジタルの洪水に見える人間的要素

    デジタルインターフェースとAI主導のエクスペリエンスが支配的な時代においても、人との触れ合いというかけがえのない要素を過小評価してはいけません。フライト変更のアラートやウィーバーの通知の背後には、なんらかのケアを必要としている旅行者がいるのです。良い旅行中サービスと卓越した旅行中サービスを分ける微妙な境界線となるのは、自動応答と人間による直接的なサポートの機会のバランスをとれるかどうかです。

    問題が起こった際には、顧客の体験はネガティブなものになりがちですが、サポートエージェントを増やし、顧客に共感を示しながら対応することにより、カスタマーサービスに対してポジティブな印象を持ってもらうことができます。デジタルコミュニケーションは効率的で時宜にかなっていますが、顧客の旅行に思い出深い一面を添えるのは人との触れ合いなのです。

    一体的な体験を実現するためのステークホルダーの調整

    旅行中のコミュニケーションにはさまざまな側面があるため、これらを調和させて一体的な体験を生み出すことが不可欠となります。旅行管理会社、オンライン旅行代理店、航空会社は、旅行者へのシームレスな継続的サポートの実現に向けて、各自のコミュニケーション戦略を互いに調整する必要があります。

    これからを見据える――積極的な旅行中のコミュニケーションの未来

    機内Wi-Fi、モバイルアプリ、AIとの統合といった旅行中のコミュニケーションのためのツールは、急速なペースで拡大しています。旅行者は今後も、より多くの人とつながり、豊富な情報を持ち、さまざまなことができるようになっていくでしょう。同時に、それぞれの旅に関与、対応するための新たなビジネス機会も生まれます。

    データの役割は今後も拡大し、リアルタイムで高度にパーソナライズされたエンゲージメントが可能になるはずです。人間によるサポートがAIを補完することで、乗客が利用できるケアの厚みも増していきます。新しい時代の舞台は整いました。その舞台では、旅行中のコミュニケーションが、混乱に対処するだけでなく、その混乱を、ブランドプロミスを強化し、卓越した顧客体験を提供する機会へと転化させるのです。

    今後取り組むべき重要事項

    • データ分析を活用して、旅行中のコミュニケーションの効率性と適合性を高める。
    • 混乱時に旅行者を効果的に支援するため、強固な旅行免除(ウィーバー)戦略を策定する。
    • 旅行中のコミュニケーションがブランドの声や価値観と確実に共鳴し合うようにする。
    • デジタルソリューションと人的サポートを統合し、調和のとれた顧客エクスペリエンスを実現する。
    • ステークホルダーと協力し、旅行者に最大の恩恵をもたらすコミュニケーション戦略を立案する。

    旅行中のコミュニケーションのタペストリーは、技術の進歩、データの高度化、そしていつの時代も重視されるパーソナライズされたサービスという糸で織られています。新たなビジネス機会とチャレンジに満ちた水平線に向かって舵を切るにあたり、ブランドを強化し、顧客満足度を高め、旅行者体験の新たな基準を打ち立てるのは、まさにこうした糸なのです。

    Proactive Travelerサービスについての詳細をお知りになりたい方は、チームの専門家までお問い合わせください

  • 燃料不足に見舞われる日本の空港―インバウンドの急増が問題なのか?

    Cirium Ascend Consultancyのアナリストとコンサルタントによる最新情報の全文をお読みください。Ascend Consultancyのアナリストとコンサルタントは、航空会社、航空機製造・メンテナンス企業、金融機関、保険会社、非銀行系投資家に緻密な分析、解説、予測を提供するエキスパートです。

    Cirium Ascend Consultancyのチームをご紹介します。


    Joanna Lu
    Joanna Lu

    Joanna Lu, Head of Consultancy Asia, Cirium Ascend Consultancy

    日本は豊かな文化遺産、技術革新、さらに風光明媚な自然の美しさで称賛され、世界の観光客を魅了する重要な国であり続けてきました。最近、日本の地方空港や成田のような主要空港で、インバウンド旅行の増加を背景にした燃料供給の危機的な問題が報告されています。しかしながら、よくよく考えてみると、こうした課題は、渡航者数の増加だけに起因するというよりも、日本の高齢化および厳格な移民政策によって悪化したサプライチェーンの混乱や労働力不足に起因するものであることが分かります。

    日本政府観光局(JNTO)は、韓国、台湾およびその他のアジア諸国からの観光客が大幅に増加していると報告しています。しかし、中国から日本へのアウトバウンド観光の回復が遅れているため、進化する旅行パターンを検証しつつ、日本にとっての現在の最大インバウンド市場を特定することが不可欠です。今回の分析では、日本の海外旅行の状況、特に今後2ヵ月間に予定されている主要路線の座席キャパシティに焦点を当てて、それらの傾向を新型コロナウイルスのパンデミック前の水準と比較します。

    私たちはCiriumのスケジュールデータを活用し、パンデミック後の航空会社のキャパシティ力学の変化を観察しています。中国市場は日本にとって依然として大きく落ち込んでおり、今年第3四半期の座席数は2019年同期比で6%減少しました。それでも、韓国は日本にとって最大の国際線の目的地市場となり、座席数が2019年第3四半期と比較して10%増加しました。

    加えて、日本はオーストラリアとベトナムに新たな市場機会を見出しており、2024年第3四半期には、2019年同期の水準に対してそれぞれ29%と9%の増加を予測しています。

    都市レベルで検証すると、路線によって大きな違いがあり、需要のパターンが変化していることが分かります。

    主要市場が力強く回復

    7月と8月にソウル行きの出発便座席数が20%近く増加したことは、日韓間の文化的結びつきとビジネス関係の拡大による力強い回復ぶりを裏付けています。外交努力の強化や渡航制限の緩和も、この座席数急増に寄与しています。韓国と日本の間の旅行は現在、両国が短期訪問のためのビザなし渡航を再開したこともあって、かなり容易になりました。韓国国民と日本国民は、観光または商用目的の90日以内の滞在であれば、ビザなしで両国を往来できるようになっています。

    ビジネスと観光の中心地における復元力

    台北便の座席数は7月に8%、8月に4%、それぞれ増加しました。これは、国際会議や各種展示会の再開や、日本と台湾のハイテク産業の強固な連携に後押しされ、ビジネスと観光の旅行が復活したことを示しています。上海便の座席数は、7、8月ともに2%の増加となっています。バンコク便の座席数は、7月はなお27%の減少となりましたが、8月には増加し、パンデミック前の水準に達しました。シンガポール便の座席数は7、8月ともに4%増加しています。航空路線における日本との強い接続性と、両国の戦略的なビジネス関係に支えられて地域間旅行が促されており、そこにシンガポールの回復力が映し出されています。シンガポールは、パンデミックの問題に効率よく対処したことで、日本発着の旅行者の玄関口としての魅力が増しました。香港市場は完全には回復していません。主にキャセイパシフィック航空の機材供給不足によるもので、香港便の座席数は約14%減少しています。

    伝統的なアウトバウンド市場が抱える課題

    その一方、釜山、マニラ、ホノルルといった伝統的なアウトバウンド市場は、日本からのアウトバウンド旅行の減少により、出発便座席数が2019年の水準と比較して減少しています。釜山は接続性が拡大したソウルとの競争の中で需要減に直面し、マニラとホノルルは経済の不確実性を背景に観光客の消費力の減退に見舞われています。

    燃料供給の不足の問題については、需要サイドの要因よりもむしろ供給サイドの制約によるものとみられます。

    今年第3四半期の日本発の全体的な国際線座席キャパシティはなお2019年の水準と比べて約7%下回っており、国内線座席キャパシティも2%減少しています。

    2024年第3四半期の日本発(国際線・国内線)の総座席数は、昨年同期比では6%増えており、現在の座席不足をインバウンド需要の急増によるものとする根拠としては不十分です。

    原油精製から生まれるジェット燃料は現在、生産量が減少しています。日本における省エネルギー対策や脱炭素化の取り組みの中で、ガソリンやその他の石油製品の需要が減少しているためです。日本の石油卸売会社は統合を進め、製油所の数を減らしており、1983年には49あった稼働製油所が、2024年6月現在では20しかありません。その結果、燃料は空港に届けるのにさらに遠くまで移動させなければならず、海運業者と陸運業者の双方に影響を及ぼす労働力不足が、この問題に拍車をかけています。さらに、日本最大の製油所であるENEOS鹿島製油所の技術的問題が、状況を悪化させているのです。

    燃料不足はすでに日本中の空港、特に地方空港で障害を引き起こしています。Ciriumの空港別のスケジュールデータを見ると、地方空港によって便数の伸び方に大きなばらつきがあることが分かり、特定の場所での問題の深刻度を示しています。Cirium Ascend Consultancyは今後もこの状況を注視していきますが、危機の主な要因は、日本への旅行が急速に回復していることではないと考えています。

    日本の旅行業界はいま、回復、復元力、そして課題への対応という複雑な局面に立たされています。これらの問題に対処するためには、進化する旅行力学とサプライチェーンの制約に直面しながらも、持続可能な成長と安定を確保するための戦略的計画と、さまざまな部門間の協力が必要となります。

  • ネットゼロへの道:増え続ける商用航空界のCO2排出量(パート2)

    EmeraldSky logo representing aircraft and flight emissions
    Andrew Doyle
    Andrew Doyle

    Andrew Doyle, Senior Director – Market Development, Cirium

    注:これは3部構成の第2部です。第1部第3部をお読みください。

    Cirium独自のEmerald Skyの方法論とデータ分析によると、2019年にCO2排出量が最も多かった航空会社200社(割合にして総排出量の93%。うち185社は現在も運航中)のうち81社は、2024年7月までの5年間でASK(有効座席キロ)あたりのCO2を平均3.9%以上削減できる見込みです。最も改善された航空会社(アイスランド航空)は、大規模なフリート更新プログラムの恩恵により24%以上の削減を記録する見通しです。他の航空会社、例えば排出量8.1%減と見込まれるブリティッシュ・エアウェイズは、新型コロナウイルスのパンデミックの間、747-400のような特に燃料消費の激しい航空機の全フリートを段階的に廃止する決定を下しました。

    これとは逆に、フィンエアーのASKあたりのCO2排出量は、2019年から2024年の間に10%以上増加すると予測されていますが、これは主に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、ロシア領空が使用できなくなったことが要因です。

    この結果、フィンランドのフラッグキャリアであるフィンエアーが運航するA350フリートのASKあたりの燃料使用量は、約20%増加しました。これは、大圏距離ベースの方法論ではなく、Ciriumの飛行時間(分)ベースの方法論でフライト内容が把握されることにより、アジア発着便の飛行時間が延びたためです。

    航空業界が直面している持続可能性に関する主要な課題は、商用旅客機の増加が予測される中、持続可能な航空燃料(SAF)の供給が大幅に拡大するまでは、CO2排出量の絶対量が増加し続けることにあります。

    国際的な最新の推計によれば、世界全体の排出量のうち航空関連業界が占める割合は約2%と比較的小さいものの、化石燃料の使用にすぐに代替し得る手段がないこと、また上空で巻雲(飛行機雲)が形成されることによって温室効果が増大する可能性があることから、この業界は依然として風当たりが強い状況となっています。

    次週のパート3「稼働フリートの変化が与える影響」もどうぞお楽しみに。EMERALD SKYの詳細については、当社までお問い合わせください


  • 航空業界はインダストリー4.0に移行したのか?

    Holly Ballantine
    Holly Ballantine

    Holly Ballantine, Aerospace Key Account Manager, Cirium

    航空業界はインダストリー4.0に移行したのか?」と題されたCiriumの2023年最後のウェビナーでは、関係業界の専門家が、第4次産業革命を受け入れようとする航空セクターの進歩と課題について議論しました。私は光栄にも、ブエリング航空のプロダクト&インサイト担当リーダーであるArnau Guarch氏、SatairのEMEA担当セールス統括であるMartin Couet氏、MTUのセールス担当ディレクターであるAxel Homborg氏、そしてeCubeのCEOであるLee McConnellogue氏を交えたパネルディスカッションの司会を務めました。

    ディスカッションの冒頭ではライブ参加者に対し、航空業界のインダストリー4.0への移行がどの程度進んでいると感じているかについて、以下のように意見を求めました。

    航空業界におけるインダストリー4.0への移行はどの程度進んでいるでしょうか?

    今回のウェビナーでは、予知保全(プレディクティブ・メンテナンス)の機会、OEMと規制当局の協力の必要性、AIの初期段階での導入、進化する「ビッグデータ」の視点、2024年の予測など、いくつかの重要なテーマが取り上げられました。

    データ主導の効率化

    航空業界においてデータ主導の効率化ができるかどうかは、適切なデジタルプラットフォームを使用してその価値を引き出せる熟練した人材を確保できるかどうかに大きく依存しています。Martin Couet氏は、まずは各種ツールを効果的に使うためのトレーニングが不可欠であると指摘しました。

    Arnau Guarch氏は、ビジネスにおけるデータ活用に関するブエリングの手法について、以下のように説明しました。

    私たちは、数多くの取り組みを行っています。収益を最適化し、コストを削減するための取り組みです。それは、私たちのサービスを市場の需要に合わせて調整し、意思決定する際に役立ちます。特に、路線ネットワークの堅牢性を向上させ、定時性を改善し、運航の混乱を減らす上で重要な役割を果たします。

    Arnau Guarch

    予知保全とアフターマーケット活動

    もうひとつの重要な指摘は、メンテナンス事象やアフターマーケット活動をより適切に予測するためのデータの活用でした。航空会社は高度な分析技術とリアルタイムのモニタリングシステムを活用することにより、メンテナンスのスケジュールを最適化し、ダウンタイム(休止時間)を削減するとともに、安全対策を強化し、最終的には運航効率を向上させることができるのです。

    Axel Homborg氏は、MTUはデータを使ってエンジン資産について理解してもらい、翼に資産が残っている可能性や早期のショップビジット(整備工場への運搬)を必要とする可能性を文脈化することを通して、顧客を支援してきたと説明しました。さらにMTUは、より良好なトレーサビリティ、より明確なプロセス、より少ないペーパーワーク環境を実現するという目標を掲げ、エンジン資産のいわゆる“汚れた指紋”(修理などの記録)のデジタル化にも力を入れています。続けてHomborg氏は、寿命制限のある部品を考慮した場合には、土壇場のタイミングで部品をリクエストして高額の代金を支払うのではなく、その必要性を事前に予測し、当該の部品を予め確保しておくことにより、業界の可能性が広がると指摘しました。

    Martin Couet氏は、Satairがデータを活用して、適切な部品を適切な場所、タイミングで確実に顧客に供給する方法を説明しました。また、Guarch氏は、運航実績を向上させるためのブエリング航空のメンテナンスの取り組みに言及し、その実例を紹介しました。

    OEMと規制当局の連携

    航空業界がインダストリー4.0を達成しようとする際に大きな壁になるのは、業界が標準的アプローチの面で団結できるかどうかです。

    パネルディスカッションでは、航空業界においてインダストリー4.0の導入に向けた実質的な変革を実現するため、航空機製造企業(OEM)と規制機関の双方が、その変革を推進する際に責任を共有することの必要性について議論されました。すべての業務における安全基準を維持しながら、異なるステークホルダーのシステム間の相互運用性を確保するためには、最低限の業界標準を確立することが極めて重要になります。

    現在、航空関連業界の多くの関係者が直面しているのは、データのサイロ化の問題です。Couet氏は、協働のための計画を策定し、航空機の製造、運航、メンテナンス活動、規制遵守に関わるさまざまな事業体の間でシームレスなデータ共有を可能にする一元化されたシステムを構築するためには、すべての関係者からの多大な投資が必要になると述べました。

    Lee McConnellogue氏は、eCubeが常に顧客を中心に据えつつ、サイロ化を打破しようとしている方法について次のように述べ、その一例を紹介しました。

    どの企業も独自のデジタルプラットフォームを持っていますが、相互に情報交換する能力は非常に限られていました。eCubeは、顧客と効果的に交流するための適切なシステムの導入を保証しています。これはますます、ある種のAI機能を意味するようになっています。

    Lee McConnellogue

    AI導入の初期段階

    ウェビナーで議論された顕著なトレンドのひとつが人工知能(AI)で、航空業界への応用はまだ初期段階にあることが指摘されました。パネリストたちはAIが活用されているさまざまなユースケースを強調しましたが、その全員が認めたのは、特にシナリオプランニング活動においては、まだ実現に至っていない多くの可能性があるという点でした。

    AIが有望視されている分野には、天候パターンや空の交通渋滞の分析に基づく飛行ルートの最適化、パーソナライズされたサービスによる旅客体験の向上、エンジン性能データの分析による燃料効率の改善、手荷物処理やセキュリティチェックといったルーチン作業の自動化、インテリジェントなアルゴリズムによるより良い意思決定の実現などが含まれます。

    進化するビッグデータの視点

    私たちは議論の中で「ビッグデータ」という用語についても話し合いました。パネリストたちは、この用語が、それぞれの文脈や技術的成熟度により、さまざまな人々や企業にとって、それぞれ異なる意味を持つことを強調しました。

    McConnellogue氏は「ビッグデータ」に対する自らの見解について、次のように述べました。「私たちは長い間、さまざまな意味を込めてこの用語を口にしてきました。ほとんどの企業にとってそれは、より多くの収益を引き出したり、効率性を高めたりするのに十分なデータをつかむことです」 

    McConnellogue氏は、これをますます「信頼できる唯一の情報源」(Single Source of Truth)を提供するためのデータ収集の機会だと見なすようになっているといいます。それをモデルとし、迅速に対応できるような、信頼ある情報の源なのです。

    おそらく、明確な目的やそこから得られる実用的な洞察もなく、ビッグデータセットだけに集中するのではありません(これでは情報過多を招く可能性があります)。それよりもむしろ、組織は、具体的な目標を念頭に置きつつ、関連するデータセットを効率的に活用するために、より洗練されたアプローチの採用を検討できるようになるのです。

    「信頼できる唯一の情報源」 

    McConnellogue氏は、適切なデジタルプラットフォームを選択することの重要性に触れ、eCubeでの経験について次のように述べました。 

    「財務プラットフォームであれ、エンジニアリングやメンテナンスのための一般的なERP(企業・資源・計画)であれ、私たちeCubeは、次のステップに進むための新しいデジタルプラットフォームの選択の方法を模索し続けています。そのような製品を選択する際、私たちはますます、人工知能の世界にどのように組み入れることができるかを検討するようになっています。その世界とは、『信頼できる唯一の情報源』を確立することを可能にするだけではなく、組織にとっての『信頼できる唯一の情報源』を確立し、顧客やサプライヤーにとっての『信頼できる唯一の情報源』に効率的に繋げることを可能にするものです」

    また、自分が扱っているデータを信頼することも論点となりました。航空業界では、データソース次第で、ひとつの疑問に対して複数の答えが導き出されることがよくあります。

    業界として活用すべきデータの量は膨大であり、それを解放し、共有すること自体が障壁になっていると言ってもいいほどです。設計、製造から運用、メンテナンスに至るまで、航空機のライフサイクル全体を通じてシームレスなデータの流れ、すなわち「デジタルスレッド」を構築することは、当社の専門家が提起したテーマへの対応に役立つ可能性があります。航空業界の「5.0」を考えるより前に、このことが出発点になるに違いありません。将来的には、完全自動化された航空交通管制(ATC)の環境下でのシングルフライトデッキ運航や、現実世界をコンピューター上に再現するデジタルツイン(バーチャルなコピー)の利用が進むことでしょう。それまで私たちは、航空業界の「4.0」を実現し、理解する努力をしなければなりません。


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