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Mexico regions from space

即時分析, 航空機業界の動向予測

即時分析:パンデミック後、メキシコが世界で最も回復力のある市場の一つである理由は何でしょうか?

August 18, 2022

メキシコのビーチブームの原動力について考察します。

Cirium Aviation Analytics - on the fly

パンデミック後、メキシコが世界で最も回復力のある市場の一つである理由は何でしょうか?

メキシコは、魅力的なビーチリゾートを有し、米国市場にも地理的に近いことから、世界で最も訪問者数の多い観光地の一つとなっています。パンデミック下でも渡航制限が概して限定的だったメキシコには、多くの観光客が訪れました。

メキシコで最も賑わっている観光地がカンクンであることは、Ciriumのツール「Diio」の空港スケジュールデータからも明らかです。注目すべきは、2021年のカンクンの空港利用状況が、2019年とほぼ同じぐらいの水準を保ったことです。その予定座席数の減少率は、わずか1%未満でした。

カンクンの座席キャパシティは今年、パンデミック前の水準と比べて2桁の増加率となっています。例えば、第1四半期の観光シーズンのピーク時には、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大にもかかわらず、座席キャパシティは17%増加しました。第2四半期以降、今年の全体を通しても、同様の傾向が続いています。

メキシコのその他のビーチ市場(サンホセデルカボ、プエルトバジャルタ、マサトランなど)でも、キャパシティがパンデミック前の水準から高い伸び率で増加しています。この伸びは国内線、国際線の両方で顕著に見られ、特にアメリカ、カナダからのフライトで多くなっています。この2年間でビジネス目的の飛行機利用が激減する中、渡航制限がほとんどなく、しかも太陽が降り注ぐ近隣の観光地ほど、機材を再投入するのに適した場所はないでしょう。CiriumのDiioシステムでは、ある時間帯にどの機材が運航されていたかが分かりますが、それを見ると、カンクン発着の短距離市場はワイドボディ機で埋め尽くされていた(例えば、デルタ航空はこの市場でA330を運航している)ことが分かります。

メキシコが世界で最もパンデミックに強い市場の一つであった理由、そしてパンデミック後に最も注目される市場の一つとして浮上している理由は、このビーチブームにあると言えます。下記の2022年第1~3四半期の国別座席キャパシティランキングをご覧ください。メキシコは、この期間に稀な成長を遂げた国となっています。しかし、同国最大の市場であるメキシコシティを除いた成長率にも注目してください。この時期の航空業界における典型的な現象として、メキシコシティではビジネス需要の激減に伴い、座席キャパシティが大幅に削減されました。モンテレイやグアダラハラといったメキシコの他の主要ビジネス市場でも、パンデミック危機が続く中でキャパシティが大きく削減されました。

アエロメヒコ航空が破産申請せざるを得なくなったのも、中小の航空会社であるインテルジェットが経営破綻したのも、メキシコシティの苦境が背景にあります。この結果、ボラリスビバアエロブスという格安航空会社2社が、総座席数で市場を新たにリードすることになったのです。

アメリカン航空はメキシコで最も利用客の多い外国航空会社ですが、アメリカのほとんどの大手航空会社が、この市場で大きな存在感を示しています。その特筆すべき例外は、カンクンのような市場で成功するための完璧なビジネスモデルを持っていると思われるアメリカの格安航空会社、アレジアント航空です。


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