東京2020オリンピック後を展望する

Ascend by Cirium (アセンド)のアジア担当コンサルタント責任者 Joanna Lu、およびCiriumビジネスソリューションコンサルタントのJames ChewとKanishka ChatterjeeがCirium Core (シリウムコア)のデータから洞察を探り出します。

世界は1年以上にわたりパンデミックの脅威に直面し、多くの国境が閉鎖され、空の旅は停止されました。東京2020オリンピックは1年延期され、2021年7月23日に開幕する予定です。日本では新型コロナの感染が進む中、大会が迫りつつあります。航空業界はこうした不確実な状況下、どのように計画し、備えればよいでしょう。

これまでオリンピックは世界最高峰のスポーツイベントで、肩を並べるものがあるとすればFIFAワールドカップくらいですが、東京2020オリンピックは新型コロナに圧倒され、あらゆる尺度で今までとはまったく違うものになりそうです。これまでのオリンピックでは、アスリート、大会関係者、ファン、スポンサーなど、世界中から大勢の人が訪れ、観光業界は活況に沸き、ホスト国は恩恵を受けました。そうなると当然、フライト需要と運賃は前回のリオデジャネイロのように急速に伸びます[1]。

2021年3月、国際オリンピック委員会(IOC)は、海外からの観客受け入れを断念すると発表しました[2]。さらに、渡航者数(アスリートを含む)を9万人以下に抑え、さらに減らす可能性も報告されました。これはパンデミック前に予想された611,000人をはるかに下回る数です[3]。

  

オリンピック後の日本の航空業界の洞察

オリンピックは国際線旅客に何のインパクトも与えないでしょうが、 Cirium Coreのデータは日本の航空業界に別の洞察を示しています。国内線旅客の回復は、アジア太平洋地域の規模の大きい他の国内市場と比べると緩やかですが、他の地域の市場では需要が激しく変動しているのに対し、日本の旅客数は安定的に推移しています。これは日本の航空会社が需要の変化にうまく対応し、輸送力を管理している印かもしれません。全般に日本の国内線市場は2019年に比べ約40%落ち込んだままです。

 

国際線旅客とワイドボディ機の利用の減少に伴い、特にワイドボディ機777の多くが2021年から駐機され、機齢が若い777-300ERでも航空機価値が最大51%低下しています。全般に、日本の航空会社のナローボディジェット機の方がパンデミックの影響が少なく、ワイドボディ機は新しい機材タイプに取って代わられようとしています。

貨物分野では、日本の貨物航空会社は2019年に近い水準で運航しています。ただし、こうした日本の貨物市場の需要増加を多く取り込んでいるのは、外国の貨物航空会社です。

 

業界予測は2022年の旅客数の力強い回復を想定

アセンドの予測(シナリオ4)は国際航空運送協会(IATA)の新しい予測と同じように、2022年にトラフィックが回復し始め、55%または70%のRPK(有償旅客キロ)成長を果たすと予測しています。アセンドの今後のシナリオでは、世界のトラフィックが2019年のレベルに回復するのは2024年になってからで、回復パターンは国によって異なると示唆しています。

確認された大半の測定基準で良好な回復軌道を示している一方で、その影響はまだ判断できません。回復の見通しを示す道標にはいくつもの要素が絡んでいます。これには、渡航制限の解除を加速化する可能性のあるワクチン接種スピード、新たな変異株の出現、ロックダウンの継続につながる次の感染の波があります。


注釈:

[1]Cirium SRS Analyzer (FM Traffic)のデータによる、季節性を考慮するため年間加重平均運賃に連動した各月の運賃

[2] IOC、IPC、東京2020、東京都、日本政府による共同声明

[3] Bloomberg: Tokyo Olympics to Bar Overseas Spectators From Postponed Games. / [3] Bloomberg: Tokyo Olympics to Bar Overseas Spectators From Postponed Games.

 

出版の際は、www.cirium.com/jpへのリンクと以下の文言を記載してください:「Ciriumのデータ/分析/洞察によると…」または「出典:航空データ分析会社Cirium」

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