日本が航空データを利用して金融見通しを評価する方法

日本銀行は、2021年4月の金融システムレポート作成の際に初めて航空データを調査

新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから1年以上が経過し、世界はゆっくりではあるものの、回復に向っています。Ascend by Ciriumのシナリオ予測によれば、世界の航空需要が2019年レベルまで回復するには、2024年後半までかかると思われます。ワクチン接種が着実に進んでいる国では、人々が再びレジャー目的の旅行を始めていますが、他の多くの国では未だにさまざまなレベルのロックダウンが続いています。

 

約20年前、1999年の世界金融危機と2001年の9.11テロ攻撃が発生した際に、航空業界は急激な需要の落ち込みを経験しました。しかしながら、今回のように航空輸送の需要が長期間にわたって落ち込み続けることは初めてのことです。

 

このような状況に直面し、非公開企業や公開企業、政府、その他の機関は、パンデミックが引き起こしたあらゆる不確実性の中で、金融、経済、および産業の見通しを予測するため、これまで以上にさまざまな種類のデータに頼るようになっています。

 

昨年、Ciriumは政府が航空データを利用する3つの異なる方法を紹介しました。政府は、空港運営をより効率的にするために、データを使って傾向を見分け、それをフライトの監視、健康上の不安を考慮した予防措置、および収益管理のためのプロセス改善に変換することができます。今回は、政府機関が国の金融見通しを評価するにあたり、航空データをどのように活用できるかについて見ていきます。

 

日本銀行は金融システムレポート(2021年4月号)を作成する際に、初めてCiriumの航空データを活用しました。このレポートは金融上のリスクとチャンスについての概要を説明し、国内の全体的な金融見通しを解説しています。専門家たちは1999年と2001年の需要急落から学んだことを応用し、Ciriumの最新のデータを使用して予測しました。

 

日本におけるオブジェクトファイナンス市場では、航空機を対象アセットとするローンが大半を占めています。これらのローンは、世界的に長引く新造機の需要不足と、航空機価格の継続的な値下がりに大きな影響を受けています。それとは異なり、世界中の航空会社は現在、ナローボディ機や炭素排出量の少ない航空機モデルへとシフトしています。こうしたことが、日本の銀行やNBFI(ノンバンク金融機関)がさまざまな企業に提供している既存のローンに、大きなリスクをもたらしているのです。

 

日本銀行は金融システムレポートを作成するために、Cirium SRS Analyzer、Cirium Fleets Analyzer、およびValues Time Series (Cirium Direct)を用いて、フライトの需要や提供座席数、航空機取引をより正確に把握すると共に、過去の航空機価値の推移について理解を深めました。

 

金融システムレポート(2021年4月号)は、日本銀行の日本語版英語版のウェブサイトで確認いただけます。

Find out more about how our capabilities can benefit you

Explore solutions