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即時分析, 航空機業界の動向予測

タイの航空業界の最近の状況

July 28, 2022

タイの航空業界の状況を、2022年と2019年を比較しながら考察します。

国連世界観光機関(UNWTO)によると、2019年、タイは3,800万人の海外旅行客を呼び込みました。この数字を上回った国は、わずか8ヵ国だけです。タイの観光市場はパンデミック前から活況を呈しており、2019年の入国者数は前年比8%増でした。この年、タイの観光収入を上回ったのは、アメリカ、スペイン、フランスの3ヵ国のみでした。

タイは、多くの航空会社にとって重要な市場です。高価格のプレミアム・ビジネスの旅客輸送量は多くありませんが、レジャー目的の輸送需要は豊富にあります。

タイは、投入コスト(特に人件費)が一般的に低いこともあり、航空会社にとって有利な市場となっています。この国の経済は観光業に大きく依存しているため、政府関係者は、新規航空便の就航を奨励することを優先事項とみなしています。インド、中国との間をナローボディ機で往来できる地理的優位性も魅力です。ASEAN地域自体、約6億人の人口を擁する市場です。オーストラリア、ニュージーランド、中東、南北アメリカから、数多くの観光客が訪れます。

タイは現在、ヨーロッパからの観光客が最も多い国です。エアアジアのタイ現地法人によると、今年第1四半期、タイの外国人観光客全体の60%近くは、ヨーロッパからの観光客でした。その中には、ウクライナ侵攻が始まるまでは外国人観光客の中心であったロシア人も含まれています。通常であれば、タイを訪れる外国人は中国からの観光客が中心です。2019年第1四半期には、中国だけでタイの外国人観光客市場の28%を占めていました。この数字は今は3%ほどですが、中国人の海外旅行需要が正常化すれば、再び増加するはずです。6月下旬の時点で、タイは新型コロナウイルス関連の最後の主要な渡航制限を解除しつつありました。

タイ・エアアジアは、座席キャパシティの点からみて、タイで最も利用者の多い格安航空会社(LCC)です。Diio by Ciriumのデータが示す通り、2019年も現在も、国内最多の乗客数を記録しています。エアアジアの他の関連会社を含めれば、タイにおけるエアアジア・グループの存在感はさらに大きくなります。実際、長年にわたるエアアジアの目覚ましい成功には、タイ市場が大きな役割を果たしてきました。

この成功に触発されて、他のアジア系LCCもタイで合弁会社を立ち上げました。その1つがベトナムのベトジェットエアです。インドネシアのライオン・エアもそうです。両社ともに今なお有力なLCCであり続けています。同様にバンコク・エアウェイズも、タイ国内の特定空港の一部を所有、運営しています。

では、タイ国際航空はどうでしょうか?かつて、この政府系航空会社は数十年にわたり、毎年利益を出し続けていました。その後、LCCによる容赦ない攻勢が始まりました。加えて、政治的干渉、労働争議、フリートの過度な複雑さ、自然災害や内乱に起因する市場の定期的な混乱が状況を悪化させました。そして、新型コロナウイルス感染拡大による危機により、タイ国際航空は倒産の危機に追い込まれ、厳しいコスト削減策と人員整理が行われることになったのです。

今年6月下旬の時点で、第3四半期のタイ国内各空港発着の予定座席数はなお、2019年同期と比べて50%近く少ない水準となっています。ちなみに、最も座席数が減ったのは、バンコクの主要空港(スワンナプーム)から香港、上海、広州に向かう3路線です。注意すべきは、第3四半期は通常、東南アジア観光の閑散期にあたるということです。本当の試金石となるのは、北半球の次の冬期シーズンに市場がどう回復するかでしょう。

ソース:Diio by Cirium, data run on Jun 27, 2022

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