航空機の排出量の新しい報告方法を目指して

著者: Andrew Doyle, Senior Director, Market Development, Cirium

航空会社は、長年に渡って自分たちが環境に及ぼす影響について意識してきました。航空機の燃料費が運営コストの20%から25%を占めることから、航空会社は不要な燃料消費量と二酸化炭素排出量の削減のため、あらゆる手段を講じてきました。にもかかわらず、航空機から排出される二酸化炭素の排出量は世界全体の排出量の2.4%、地球温暖化の原因となるガスと微粒子の排出量については航空機からのものが総量の3.1%にも上っています。(出展Atmospheric Environment 2021年1月号

これまで航空会社は、燃料消費量と二酸化炭素排出量を低く抑えるために、管理に努めてきたことは間違いありません。実際、これらはサステナビリティの問題のみならず、収益性にもかかわる問題でもあるからです。 

一方で、航空会社以外の業界にとって、航空機による二酸化炭素排出量は、比較的新しく浮上してきた問題であったのですが、昨今では極めて重要な課題となっています。それは政府、金融市場、そして多くの一般の人々にとって、地球温暖化とその防止策への関心が高まったためです。 

近年、企業などの組織がカーボンフットプリント(商品・サービスのライフサイクル全体を通して排出された温室効果ガスの排出量を二酸化炭素に換算したもの)を把握できるように、明確で正確なベンチマーク(目標値)が必要であると叫ばれています。 これはもちろん、移動や流通に航空機を利用しているあらゆる企業にも当てはまります。製品を市場に投入するために航空貨物を使用している企業、あるいは従業員が仕事で航空機を利用している企業に、このベンチマークが必要だということです。

 

現状の測定基準では不十分 

今日、多くのケースで、カーボンフットプリントの測定には大まかな平均値を値として用いています。一般的に、航空機の二酸化炭素の排出量は、航路ごとに測定されますが、航空機の種類に応じて測定されることも少なくありません。この測定値によって、消費者は自身の関与しているカーボンフットプリントを判断することになります(ここで言う消費者とは、航空券の購入者だけでなく、航空サービスを利用するサプライチェーン、あるいはデリバリーチェーンなどすべての関係者を指しています)。 

しかしながら、従来のこうした大まかで一律な測定方法は、ほぼ無意味であることが分かっています。ベンチマークの設定、またはカーボンフットプリントの最小化の進捗状況を正確にモニタリングできないためです。また、人とモノの移動に航空機を使用しないということ以外に行われている、カーボンフットプリントの削減に向けたさまざまな努力が本当に功を奏しているのかどうか、判断しようがないためです。
 

Ciriumは、サステナビリティの実現につながる二酸化炭素排出量測定を実施しています 

Ciriumは、フライト情報データの圧倒的な蓄積量を誇っています。このデータを活用し、これまで別もの扱いされていた各種データを組み合わせることで、消費者がすぐに行動を起こせるような文脈で、極めて正確な二酸化炭素排出量レポートを作成することができます。 

例えば、単純に平均的なフライトの二酸化炭素排出量を報告するのではなく、社員の出張などに伴って生じている、座席クラスに応じた二酸化炭素排出量を、組織や企業の航空券購入担当者が正確に把握できるようになったのです。また、製造業者、フォワーダー(貨物混載業者)、eコマース企業などは、積み荷の大きさや重量に応じた、フライトごとのカーボンフットプリントを把握することも可能となりました。 

こうした精度の高い測定を行うことで初めて、企業は正確なベンチマークを設定し、自社のカーボンフットプリント最小化に向けた計画を立て、その計画の成果を測定・進捗を確認することができるのです。 

また、この精度で測定を行うことは、正確な排出量取引のためにも必要です。今後8~9年ほどで、カーボンオフセットの価格は、1メトリックトンあたり$50を超えるとみられています。組織や企業がカーボンオフセットを購入する際に、過剰に購入したり、あるいは過払いになったりしないよう、極めて正確な測定が求められています。 

こうした精密なレベルでの実用的な洞察を得られるように、Ciriumの入力データは数百もの項目からのカスタマイズが可能です。そのなかの主要なものを一部、以下に列挙します。 

  • 実際のフライトおよび滑走時間(単純な大圏距離ではなく) 
  • 天候条件 
  • 旅客数 
  • 座席クラス 
  • 航空機重量 
  • 貨物の積載トン数 
  • 機材/エンジンタイプおよびウィングレットの搭載状況 
  • 航空機の機齢 

Ciriumが行った初期のテストにおいては、実際の排出量に対し、推定値が±1%という再現可能な測定精度を示しました。これほど誤差範囲の狭い排出量推定値であれば、組織や企業は自信を持って、改善プログラムのベンチマークを設定できるでしょう。 

さらに、フライトやサービスの詳細に基づいてデータを提供しているため、今後の計画立案に対してこれらのデータをより実用的に活用することができます。 

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